一般的な核融合実験のプラズマ温度について
#一般解説
核融合を起こすのに必要な温度はだいたい1億度(10Kev)
オーミック加熱で達成できるのは数keV
もしも、オーミック加熱だけで10keVいくのであれば、核融合炉実現は変な話にならなかったのでは?っと思うmasaharu.icon
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付録:トカマクによる核融合開発の概要
提供された資料に基づいて、オーミック加熱(ジュール加熱)やその他の加熱手法に関する議論を進めます。
オーミック加熱とその限界
資料によると、オーミック加熱はトカマク型装置でプラズマを加熱する基本的な方法であり、電磁誘導によってプラズマ内に電流を流し、その電流によるジュール熱で加熱します。この方法は初期のプラズマ加熱では非常に効率的でしたが、以下のような制約があります:
1. 抵抗の低下:
プラズマ温度が上昇すると抵抗が下がり、それに伴ってジュール熱も減少します。プラズマ抵抗は温度の-1.5乗に比例するため、高温域では効率が著しく低下します。
2. 加熱限界:
オーミック加熱で到達できる温度には上限があり、その限界は数千万度程度とされています。核融合反応を起こすために必要な1億度以上にはオーミック加熱のみでは達しません。
他の加熱手法
オーミック加熱の限界を補うため、以下のような外部加熱手法が採用されています:
1. 中性粒子ビーム加熱(NBI: Neutral Beam Injection):
高エネルギー粒子ビームをプラズマに入射して加熱します。
ビーム粒子はプラズマ内で電離し、イオンとなってプラズマ内を運動しながらエネルギーを供給します。
この方法では、1億度以上のプラズマ温度が達成されています(例: JT-60U装置では5.2億度を記録)。
2. 高周波加熱(RF加熱):
強力な高周波(電磁波)をプラズマに入射し、プラズマ粒子を直接加速(加熱)します。
電子サイクロトロン共鳴加熱(ECRH)などが代表的で、電子が磁力線に拘束されて回転する周波数に共鳴させることで効率的に加熱します。
3. アルファ粒子による自己加熱:
核融合反応で生成されるアルファ粒子がプラズマ中でエネルギーを供給する自己加熱(燃焼プラズマ)も、目標とされています。
現在の達成状況
トカマク型装置では、臨界プラズマ条件(1億度以上)を達成しています。
ITERでは、外部加熱を停止しても自己加熱のみで1億度を維持できる「自己点火条件」を目指しています。