積読
書物を買いもとめるのは結構なことであろう。ただしついでにそれを読む時間も、買いもとめることができればである。しかし多くのばあい、我々は書物の購入と、その内容の獲得とを混同している。読書についてp.137 積読は、書物の本質的な在り方のひとつなのです。本を読まずにただ置いておくとき、それを読まないでいる「うしろめたさ」がつのるあまりに、つい忘れてしまいがちな性質ですが、読まずに置いておく、というのは書物の本質を尊重する態度です。(中略)たしかに本は、「読むためにある」という性質を持っています。しかしそれと同時に、矛盾するようですが、「読まれないため」にも本は存在しているのです。本という形態は、それを読まずに「とっておく」ためにも機能するようにできているからです。永田希. 積読こそが完全な読書術である (Japanese Edition) (p.28). Kindle 版. 現代を生きる人は、社会で進行している積読環境に抗って「自分なりの積読環境」を構築しなければなりません。情報の濁流という大きな積読環境のなかに、自作の積読環境を生み出し、運営するのです。情報の濁流のなかに、ビオトープを作るということです。永田希. 積読こそが完全な読書術である (Japanese Edition) (p.34). Kindle 版. 強調引用者 しかし今は、できるだけ積読はやらないようにしている。 その理由は今読んでいる本に集中できなくなってしまうから。読まれることを待っている本が何冊もあると、 そっちの方に気がいってしまう。 別に急ぐ必要はないのだが、 読まれるのを待っている本があるというだけで、今読んでいる本に集中しにくくなり、じっくり読みたくても、どこか雑な読み方になってしまいがちだった。モノが少ないと快適に働ける / 土橋正 ・ 166ページ 本は背表紙だけで情報を発してる。情報過多になってうるさいので、本棚があると逆に集中できない。本棚が大きいこと、多いことが必ずしもいいことではない。
また、いつか読もうと思ったままなかなか読まない本、いわゆる 「積ん読」 をなくす方法は以下の通りです。全冊読みたいという気持ちが強いなら、 読みたい順番に積み直し、 手帳の「今週やること」欄にチェックボックスを付けて本のタイトルをリストアップしましょう。 見える化することで読書が進むようになります。 一方、買った時には意気込んでいたけれども、もう気持ちが醒めてしまった......という本は読まずに②③の方法で処分してしまいましょう。 気持ちが伴わない本はいつまでたっても読まないもの。バッサリ処分して、 「今、読みたい本」 「今、読むべき本」 を優先させたほうが格段に質の高い読書になるはずです。手帳を活用し、 知識と片付いた空間の両方を手に入れましょう。手帳という武器をカバンにしのばせよう さとうめぐみ 111ページ 僕の場合、 読みたい本をストックすること(いわゆる積ん読)はしていない。 出版社から贈呈された本が、十冊くらい溜まることはあるけれど、順次すぐ読んでいく。 ずっと読まずに持っている本は一冊もない。いつか読みたいな、と思っている本もない。 読みたいと思ったら手に入れて読むからだ。 これは、本以外のものでも同じで、もちろん、 作家になって収入が増えたおかげである。 買いたいものはすぐ買っているから、今買いたいもの、これから買いたいもの、 いつか買いたいもの、 などはない。 そういったリストはいつもゼロである。読書の価値 / 森博嗣 ・ 83ページ