日本人はゴールよりもプロセスを極めるほうが好き
1つ目は、日本人は、ゴールを達成するよりも、 その過程のほうを愛する傾向があることです。 めちゃくちゃざっくり言うと、欧米は「神から与えられたミッション」 があって、それを達成するには手段を選ばない、という考え方をしているんですね。 中国も 「天からの使命」 みたいなイメージを持つらしいです。 今っぽく言うと、アメリカや中国は「ハッカー文化」。 成し遂げたい使命のためだったら、 手段は選ばない、 達成することが大事だ、という考え方です。 一方で、 日本の伝統芸能は、 茶道や武道など、 「道」 という言い方をすることがあります。 これは 「ゴールがどこか」 よりも、 「どうやるか」 という過程のほうが大事ということの表れなのではないかと思っています。 道には基本的には終わりがありません。 こうした点からも、日本人はゴールすることよりも、ゴールまでの道のりを極めるほうが好きなのではと思うのです。欧米や中国が「ハッカー文化」 だとしたら、日本は「オタク文化」 と言えます。 物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 けんすう p.・25ページ アメリカでは一流の芸能人は 「セレブ」 と呼ばれたりして、完成されきっている人が、プロとしての実力を見せて、人を楽しませますが、 日本では、未完成でも応援したくなるようなアイドルが人気になったりします。れは、がんばっている姿をみんなで応援するという「過程」 を楽しんでいるわけですが、それも似た事例と言えるのではないでしょうか。 物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 けんすう p. 25ページ