日本人
日本人は歴史上、外圧に屈した経験が少なくとも五回ある。最初は「白村江の戦い」での敗戦によって、唐に滅ぼされる危機に直面したが、事実上の属国になることで窮地をしのいだ。二番目は元寇で、二度にわたる蒙古軍の襲来を辛くも台風の援軍によって退けることができたものの、支配体制瓦解の原因となった。三番目は南蛮人の渡来とキリスト教の伝来である。鉄砲伝来により、内戦状態が激化し、新たな天下人の登場を促した。四番目は明治維新で、黒船来航により、帝国主義の影響をもろに受け、極端な西洋化が進んだ。五番目はアジア、太平洋戦争の敗戦とアメリカによる占領である。 一連の外圧は日本の統治システムを根本から変えるきっかけになったが、逆に外圧がなければ、何も変わらず、停滞し、腐敗する。まさにそれこそが日本の元型である。パンとサーカスp.38