声のトーンを調整する
「自然な会話」に聞こえるように、2人の声のトーンを調整しつつ展開する、これが重要なんです。たとえば僕が、10段階中3くらいの声量で「このあいだ水族館に行ったんですよ」と振ったときに、井上が急に7くらいの声量で「水族館?」と受け答えると、明らかに聞き心地は悪くなります。  そんなトーンのジャンプは、通常の会話では起こりません。つまり声のトーンの選択をひとつ間違えるだけで会話の響きが不自然になり、それが聞き心地の悪さにつながることがあるんです。  漫才は2人の掛け合いで進んでいきます。そしてそれが自然に響くようにするには、6の声量の振りには7、もしくは5で応えるという具合に、声のトーンをやや上げるか、やや下げるのが基本です。  上げるか下げるかは、振りを受ける側の「関心の強さ」によります。振られた話に関心を示す場合は上げる、無関心を示す場合は下げる。実際の会話もよく観察してみると、基本的にはこうやって進んでいるはずです。答え合わせ 石田明44-45ページ
「コミュ症」のためのコミュニケーションガイド