ブログの終焉
Twitter終焉後にどうするか、ブログの復権かって言われてるけど、自分はいろいろ考えて、Scrapboxをパブリック公開することにした。(正確に言うとパブリック公開用のScrapboxを別途つくった) ブログはこれからますます流行らないんじゃないかと思ってる。流行る流行らないがそこまで大事とは思わないけど流れとして。だってブログ、読めないもん。
ブログ書く人、情報が冗長な人が多いし.....。なんか「文章書きたい欲」が強くですぎちゃってたり(筆がすべりすぎ)、「毎日ノルマをたんたんとやる」真面目な性格が災いし、気が乗らなくても書きつづけよう、継続は力なり!ってやるので(それがいいんだけどさ)、「おもしろくない回」が増えて、「おもしろい回」の割合、打率が下がってるんだよね。 あと、カスな情報ブログが多すぎてそちらにハックされちゃってる。そしてその手のカスブログは音声入力やChatGPTのおかげで今後ますます「生産性」が「高まる」。つまり受け手からすると情報効率がますます下がると見てる。 こう言っちゃなんだが「もっと短く書けよ」「それくらいなら3ツイートくらいで言えよ」って思ってる自分がいることは否定できない。短くないのが悪いのではなくて、短く書けるしそれで済むのに、ブログエントリにするためにわざわざ長くしているものや、時事に特化したものが多いのではないか。時事に特化する、つまり「後年ほとんど読み返されない」のであれば、Twitterと同じじゃね?っていう。
Twitterの投稿は構造化されていない
Twitterの欠点は投稿が構造化されてないこと。140字内の主張のそれぞれは「その中で一応理に適ってる」としても、各投稿間での論理的ネクサスや構造が決して明らかではない。
野口悠紀雄は『書くことについて』の中で次のように述べている。 ツイートを書くのは簡単です。ツイートの文章には「構造」がないからです。これは、いわば単細胞生物のようなものです。書くことについて 野口悠紀雄p.114 構造とは何か。野口によると、順序づけ、グループ化、重複の排除、矛盾の排除が構造化だ。
・順序づけ
・グループ化
・重複の排除
・矛盾の排除
これがよくできていると、「読みやすい」、「すらすらと頭に入る」と言うことになります。
同じく文章の構造化とTwitterについては西尾泰和が次のように述べている。
TwitterなどのSNSで断片化された文章を気軽に眺めているとき、コンテンツは短い断片になっていて断片の間にはあまり関係がないので、「組み立てる時間」がかかっていません。これを読むときの速度が、「組み立てる」をしない場合の速度です。エンジニアの知的生産術 西尾泰和 (WEB+DB PRESS plus) (Japanese Edition) (p.204). Kindle 版. 要するに、思考とは、細かいアイデア・主張というレゴブロックを使って、より大きな「建造物」をどのように組み立てるかなのだが、140字の断片ではそれはできないでしょ(原理的には可能かもしれないが大変しにくいでしょ)ってこと。
これだけ聞くと「1500字、15000字書けるブログがやっぱりいいんじゃないか」って思いそうになるんだけど、実際には長く書いてるだけで、とても構造化されてるとは言えない読みにくい文章のブログが多い気がしてならない。単に文章がつまらないからそう感じるだけか?
長く書いてるんだけど、それは単なる繰り返しだったり(重複の排除ができてない)、退屈なレトリック、描写がくどいだけだったりする。そんなもんはそれこそ相手から時間をいたずらに奪うだけなのだから、むしろTwitterよりも勝手が悪いって話になりかねない。
なんとなくブログの良さを単なる長さだと捉えてるフシがあるのでは。長いからといって構造化されてるとは限らない。大事なのは長さではなく構造化だ。
ブログは完成品でなければならないというプレッシャー
それにブログは過去に書いたものがスッと出てこない。いや、探せば出てくるんだろうけど、読み手からすると正直探しにくい(基本自分がブログ的なUIが気に入ってないだけかもしれないが)。それに、ブログにいくらタグづけしてもタグ同士がつながるだけなので、エントリとエントリの関係がわかりにくい。
また、過去に投稿したエントリに対して、手を入れることがあったとしても、基本的にはブログは完成品。一度書いたらそのままそれが「かたまって」そのまま放置。訂正したして詳細情報のアップデートか誤字脱字の修正程度じゃあないだろうか。
けれども、今、世の中の変化はとんでもないスピードになっていて。あれこれ「かたまって」から書いてたら遅すぎるし、かたまるまで書けないのもフラストレーションだし、書いたはいいけど、すぐ状況が変化したりする。
かっちりとした文章のリニア構造に落とし込んでいくことも大事だし、能力ある人がそうしたエントリーを投下していくことの価値を否定するものじゃないけれど、あまりにカッチリしてると、間違いや実験、試行錯誤ができない。人は間違いを恐れず試行錯誤して遊ぶことによって効率的に学習ができる。その「怖がらずに遊びで」がTwitterではもう完全にできなくなっていた。
ブログでも同じかなと。文章をきちんと書かなければというプレッシャーが強すぎる。他方でTwitterやMastodonであれば文章の体をなしてなくても読んでもらえるし、いいねといった報酬ももらえる。労力が高くプレッシャーもかかるが見返りのない行為と、かんたんに強めのリターンがもらえる行為と。どっちに手をつける?ってなったら人間どうしても後者を選んでしまう。「そろそろブログを書かねば」「ブログに尽力します」って言ってる人、たいていその後、ブログも書かずTwitterやってるのはそういうことだ。 遊びながらいじりながら、試行錯誤しながら、ごちゃごちゃと。要点だけ簡潔に箇条書きしたり、項目だけ適当に立てて放置したり、あるいは喋るように放言したり(この投稿がまさにそれ)、もう少しカッチリとした文章にしてかためたり。それら全部の間を融通無碍に移動できて、文章には足りないがつぶやきにはおさまらない、ツイート以上ブログ未満をきっちり受け止めてくれる場所は?と考えたら、やっぱりScrapboxだった。 美文は必要なし。構造化された箇条書きでもよし
投稿と投稿が文中のリンクで自然につながる
書きかけオッケー。
他のSNSやブログなどもブックマークレットで一瞬でインポート可
細かい設定や使い方を覚えなくていい。なんだかんだで書くのに集中できる
とはいえView数程度は一応見ることができる
過去に書いた投稿も新しく書いた投稿からのリンクで何度でも参照できる/してもらえる
まさにこれからの時代にピッタリなあり方だなと。まあ、単純に自分がこのUI気に入ってて、とても使いやすくストレスがないってのが大きいんだけど。
というわけで、以前から個人メモ用に使ってたけど、別途本格的に公開用のプロジェクトを作成していきます。
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