ビートたけし
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コメカ 80年代という時代を始めるにあたって、インテリたちがサブカル的な方法論によって切断しようとしたのは、70年代までの硬直したイデオロギーや男性中心主義的な暴力性だったと思おうんだけど、たけしはそういう流れの中にいながら、男性的暴力というものを手放そうとしないどころか、むしろ強化したところがある。タモリはずっと「独りぼっち」という立ち位置をキープしたわけだけど、たけしは(まあそれが冗談交じりだとしても)「寂しかったから」という理由で、たけし軍団を組織した。それは正にホモソーシャル的な集団で、結果的にたけしのフライデー襲撃にまで同行するほどの「過激派組織」と化す(笑)。ポストサブカル焼け跡派p.53 コメカ そうね。70年代以降、一億総中流的な意識が浸透するのとシンクロして、それこそ「戦後」的なキレイごと・タテマエへの反発や猜疑心が一般化していくという。そこに上手く食い込んだのが露悪的なサブカルチャーで、たけしはその一番ポップでメジャーな人だった、っていう見方を僕はしてる。でもまあ、東浩紀が「ネトウヨは江藤の『私生児』として生まれたと言えるんじゃないか」みたいな言い方をするのと同じような感じで、たけしも厄介な「私生児」をたくさん生んでしまったのではないかと思ってるんだけど(笑)。最初の子どもたちにあたる表現者が電気グルーヴや浅草キッド、伊集院光らの世代になるわけだけど、彼らが90年代に行った活動に影響を受けた70年代生まれぐらいのサブカルファンというのは、インターネット上で言葉を書いた最初の世代だと思うおんだ。男子校ノリ、自虐ネタ、バカとかブスとかを笑いにするセンス、タテマエではなくホンネで語りたがる感覚......。かつての2ちゃんねるやテキストサイト、今現在のSNS等にあるひとつの感覚の源流が、80年代のたけしにあると僕は思ってる。......実は僕もそういうサブカルチャーにすごく影響を受けてるんだけど、その潮流が今終わりつつあるという感覚を持っているんだよね。ポストサブカル焼け跡派p.57