テンペスト
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新訳 テンペスト (角川文庫) / The Tempest
シェイクスピア (著), 河合祥一郎 (著)
簡単に要約すると......。(ストーリーというか出来事の流れ)
主人公のプロスペローは本と魔術に夢中のミラノの公爵だったが、弟のアントーニオに謀られ、幼い娘ミランダとともに島流しにされてしまう。ゴンザーローは憐れに思い、必要な本や服をプロスペローの船に乗せておく。
プロスペローが流された島(具体的にどこかは不明)にはシコラックスというアフリカ出身の魔女が住んでいた。この魔女は妊娠しており、それが理由で島流しにあう。キャリバンを産み、しばらくしてから死ぬ。そこにプロスペローがやってくる。最初はキャリバンとも友好的に交流していたプロスペローなのだが、娘のミランダをキャリバンが襲おうとしたことが原因で、以来、キャリバンを支配下に置き、労働をさせ一方的にほぼ奴隷として使役している。
ナポリ王アロンゾーは娘をチュニジアに嫁がせたのだが、その婚礼に出席した帰りに、大嵐(テンペスト)に遭う。大嵐はプロスペローがエアリアルに指示して引き起こさせたものだったが、そのせいで船は難破し、アロンゾーはじめ、アントーニオ、セバスチャン、ゴンザーロらはみなプロスペローの住む島に辿り着く。
ファーディナンドだけ一人離れて島にたどりつき、そこでミランダに出会い、一目惚れする。ミランダもファーディナンドに一目惚れする。
二人がすぐにくっつくのでは満足できない(多少困難があったほうがよいと考えた)プロスペローは、ファーディナンドに材木を運ばせるなど、労働を強制する。ファーディナンドは根を上げつつもますますミランダのことを考えるようになる。
①アントーニオ、アロンゾー、フェルディナンド、セバスチャン、ゴンザーロ他はファーディナンドと別の場所に漂着する。その後、突然、アロンゾーとゴンザーローだけ眠くなって寝てしまう。起きていたアントーニオは、セバスチャンに出世のチャンスだといって、寝ている二人の殺害をそそのかす。剣を抜き突き刺そうとしたところで二人は目を覚ます。
②道化のトリンキュローと執事のステファノーはアントーニオらともまた別の場所に漂着。二人はキャリバンと出会う。キャリバンは寝ているプロスペローを殺してこの島の支配者になってほしいと頼む。
エアリアルは①②を邪魔し、プロスペローに報告する。2つのクーデターはどちらも失敗に終わる。
最後、ミランダとファーディナンドは相思相愛になり、プロスペローも二人の婚姻を認める。
主の状況を悲しむゴンザーローらに同情するエアリアル。そんなエアリアルに感化され、自分もアロンゾーやアントーニオを許すとプロスペローは決める。
ファーディナンドとミランダが結婚することを知ったアロンゾー。ミラノ公国もプロスペローに返すことにする。プロスペローもミラノに戻ることに。島を離れるとともに、プロスペローは魔術も捨てる。
疑問点/気になる点
ちょっとまとめる時間なかったので、
プロスペロー
一般的に「許しの物語」(人間的な成熟)などと言われているようなのだが、ぶっちゃけどこがやねんでしかなかった。自分の地位を奪ったアントーニオを最後には許したって言うんだけど、アントーニオからは別に一切「ごめんなさい」的なセリフがないし、許しがそんなに大事なら、キャリバンをこそ許すべきだけど、そっちについては何も言及がない。
許すことにしたのも、なんかエアリアルが彼らに同情したから「じゃあ、自分も」みたいな感じで、なんかあんまり論理的に一貫性がないというか。そもそも最初からどうする計画だったのかが謎。
こいつ、人生から何も学んでない。アントーニオは実の兄を島流しにするとか、確かに悪いことかもしれないけど、
登場人物の名前。
登場人物
プロスペロー:ミラノ公爵。本の虫。研究が大好きで独学で魔術を習得してしまう。
ミランダ:プロスペローの娘。作中の年齢は14-15歳。
アントーニオ:プロスペローの弟。冷徹なリアリストで兄を国から追い出し公爵位を簒奪する。
アロンゾー:ナポリ王。
ファーディナンド:アロンゾーの息子。ナポリ国の王子。
セバスチャン:アロンゾーの弟(つまりファーディナンドの叔父)
ゴンザーロー:いいやつ。老顧問官。
シコラクス:プロスペローが流された島に住んでいた北アフリカ出身の魔女。
キャリバン:シコラクスの息子。作中では野蛮で醜い奴隷として描かれている。
エアリアル:空気の精霊。最初、シコラックスに閉じ込められていたが、プロスペローに助けられ、今度はプロスペローの命令に従うことになる。
トリンキュロー:道化。
ステファノー:常に酒を飲んでる執事。