キャラクター化
コメカ 僕にとって、糸井や坂本みたいな人たちっていうのは、そういうスタイルを一番明確に構築したって印象なんだよね。いわば、矢沢やジュリーみたいな記号的ポップスターに擬態することで、自分たちのイデオロギー性やマッチョイズムを隠し込み、自分自身を商品として形作る戦略を取った人たち。ただ、それはサブカルチャーの男性中心主義的な構造を変化させる定期にはなったけど、政治的なものをサブカルチャーの作り手/受け手が、忘却していく景気にもなってしまっていたのでは、と。70年代までを知っている人間が、その重たさを振り切るために、持ち出した記号=キャラクター化の方法論しか知らない世代が出てきてしまう。ポストサブカル焼け跡派p.45