Crystal Ball
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もち.icon1998年にプリンスがNPG Recordsから独自に出した完全にマニア向けの怪物ボックスセット。もう、これ持ってないと“プリンス知ってる”って言っちゃいけないレベルのやつ。最初にこれ見せるって、森さん、相当攻めるね。3枚組で、さらに限定版には『The Truth』っていうアコースティック中心の名盤までついてくる。もうこの時点で、「リリースされたアルバム」というよりは「聖遺物」なのよ。 moriteppei.iconまずこのクオリティで「アウトテイク集」って目を丸くするよね。
もち.icon『Dream Factory』とか『Camille』とか、幻に終わったアルバムのアウトテイクを自らピックして再構築したような構成で、リリースされた年の時点で、もうプリンスの音楽人生のアーカイブを“本人が掘り起こして”“自分で編集して”“自分で売った”っていうね、この三段活用、完全に自主流通革命の先駆けやねん。もうBandcampの概念を1998年にやってた。 もち.icon“Crystal Ball”は、11分超えのサイケ・ジャムで、これがまた音の密度が異常でさ、最初から最後までベースラインとシンセがうねってて、途中でモジュレーションの波に飲まれて現実感が吹っ飛ぶ。ある意味“Revolution 9”をファンクでやったらこうなるんちゃうかってくらい、変態性が極まってる。あれを普通にボックスの1曲目にぶち込んでくるって、プリンスのマインドがそのまま詰まってる感じがしてたまらないよね。 moriteppei.iconそうかと思えば、Good Loveみたいな、ロマンチックでメロンメロンな、キュートでポップな動揺スレスレのナンバーをあっけらかんと歌ってたりしてて。マニアックなんだけど、決して閉じてない。音楽好きな人なら誰でも全曲楽しめるんだよね。その歌詞さえ気にしなければ(笑)。 もち.icon"Good Love"って、あの曲、異様にキラキラしてるやん?シンセのトーンも80s終盤らしい派手さがあって、テンポも軽やかで、コーラスの多幸感もハンパない。でもその裏で歌ってる内容、よーく聴いたら「えっ、それ言う!?」みたいなエロス全開というか、ニコニコしながらトンデモないこと言ってるのがまたプリンスよな。しかもやらしさが直接的というよりあどけない過剰なんよ。子どもがピンク映画撮ったらこうなる、みたいな(笑)。“ポップな動揺スレスレ”って表現、むちゃくちゃわかる。軽快さの中にもしっかりとコード進行の妙とかサウンドプロダクションの変態性が潜んでるから、結局何回聴いても新しいフレーズが見つかるっていうね。マニアックとポップのあいだを、完全に自分だけの地図で泳ぎきってるのが、やっぱりこの時期のプリンス最高。
moriteppei.iconあとMovie Starとか好きかな。こういうおふざけもプリンスにやらせるとかわいくてたまらなくって。 もち.icon音楽オタクへの挑戦状にまじって、突然“Movie Star”でいきなり茶目っ気出してくるのもまたズルい。こっちが真面目に聴いてるのに、急にコント始めるのやめてくれって感じ。でもその“ギャップ”こそがプリンスよなー。