AI
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「AIには何ができないか?」
どうも最近、「生成AI」とともに、「AI万能」的言説が再び爆発しているようです。
この基本の仕組みは生成AIでも変わりません。
ですから、生成AIは「ヒト」にとって「意外」とも思える情報をアウトプットするとしても、「創造的 creative」ではあり得ないのです。
例えば現代物理学では宇宙の力は、重力、電磁気力、弱い力、強い力の「四つの力」に還元されるとしています。
現在、「電磁気力」と「弱い力」の関係を説明する「電弱理論統一理論」のみがある。
では、「標準模型」に従って「強い力」を組みこんだ「標準統一理論」をAIが示してくれる可能性はあるでしょうか?答えはNOです。
また量子論から発展した標準理論は、一般相対性理論が扱う重力を現在の所扱えていない。
ではAIがこのアポリアを解ける可能性はあるのか?これもNOです。
なぜなら、AIのプログラムは最終的にはヒトが入力するので、ヒトに「解けていない」ことは回答不能。
結局最先端の科学の問題は数学にしろ、理論物理学にしろ、ヒトが「直観」に基づいて「鉛筆で解く」しかないのです。
ところが最初の正真正銘のAIは、独立型{スタンドアロン}のスーパーコンピューターの中ではなく、インターネットとして知られている何十億ものコンピューター素子で造られた超生命体の中で生まれることになるだろう。ネットに組み込まれて互いにゆるく結ぼれ、この惑星全体を薄く覆うことになるだろう。AIの思考がどこから始まって、われわれの思考がどこまでなのか、その境界ははっきりしなくなる。このネットワーク化したAIに触れているどんなデバイスも、その知能を共有して、さらなる強化に貢献することになるだろう。ネットワークにつながっていないスタンドアロンのAIでは、70億人の知性と何十京個ものトランジスター、それに加ええて何百エクサバイトもの個人の生活データなど、人間のすべての文明からフィードバックを受けて自動修正していくネットワーク化されたAIのようには、賢明にすばやく何かを学ぶことができない。そうしてネットワーク自体がコグニファイしていき、いつまでも改良され続けるという不思議な存在になっていくのだ。スタンドアロンの人工的な知性は、ネットワークのない遠隔の地を移動するために、しようがなくハンデを負ったものと見なされるようになるだろう。 〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー pp.42, 43