3つめの空間
まほ 私は、もし「わかりあう」 っていうことが、 「同一化」 とか、 「同情」とかいうふうに捉えられるものだとしたら、それはすべきじゃないと思う。 誰かと話すっていうことは、 自分を相手と同一化して、 相手と同じようになろうとすることじゃなくて、 私と相手のあいだに 「3つめの空間」 をつくるような感覚だと思ってて。そこにお互い招きあう。 お互いを招き入れる。 「理解」 っていうことは必要だと思うけど、 それは同一化とか同情じゃない。 / かおり 3つめの空間。 招き入れる。 招きあう。 おもしろい表現、 発想だね。 / まほ それは、「相手を理解したい」という気持ちと、 「私を知ってもらいたい」という気持ちがあって初めてできあがる空間なのかなって思う。根っからの悪人っているの?: 被害と加害のあいだ シリーズ「あいだで考える」 坂上香・25ページ すごくいい表現だと思ったのでメモ。どちらにも同化されない空間とはまさに、その間にあるもの=in-betweenなのだから、ハンナ・アレントの言うinterestと非常に近い話をしている。二人の人間が互いに互いを消去せずに存在する場合、その間にあるものが現れる。そんな空間を立ち上げることが対話であり会話であるとイメージしておきたい。