インターネットからサードプレイスが消えた
昔は個人サイトっていうのがあって、同じ趣味や気になる話題の個人サイトを見つけて、そこの掲示板に書き込むだけで交流ができた。 書き込みを重ねていけば他の住民からも認識される存在になれたし、チャットルームがあれば夜にみんなで集まってワイワイしたりしたもんだった。 そして自分も個人サイトやったりして、交流場の主催者になったりとかさ。
別にメールやIMで直にやり取りするほどではない、ゆるい友達を作るのは簡単だった。 でも個人サイトが廃れて、SNSが発展してからはそういうゆるい友達を作るのって難しくなったなぁって思う。 今最も主流な匿名ベースのSNSであるTwitterでは、交流するにはリプライを送らなければならない。いきなり1体1のやり取り。敷居が高い。
そんなもんだから交流目的ではほとんどTwitterは使っておらず、フォロワーは幽霊の20人ぐらい。通知も全く鳴らない。
昔はよく掲示板に書き込んで、自分で個人サイト作って1日1000PVのやや人気のサイトに育てて、「住民」とよく交流していた俺がこのザマだ。 これはインターネットからサードプレイスが消えたってことなんだと思う。「ソーシャルメディア」そのほとんどは、個人の家=アカウントしかなく、それを直接「つなげる」だけ。 「サードプレイス」とは「家でもなく職場でもない第三の場所」の意味だが、なぜサードプレイスが必要となるかと言うと、簡単に言うと「切り離すことでくっつける」ためだった。要するに「相手の家に行くにも自分の家に呼ぶのもどちらもハードルが高い」「いつでも切れるようにつながりたい」だったわけだ。
そして昔はそうしたサードプレイスの役割を個人サイトがになっていた。今も実際上は特定の個人のアカウントがハブとしてサードプレイス的に機能している側面はあるとは思うし、「コミュニティ」のような機能もあるがやはり弱い。最も近いのがDiscordのサーバではないだろうか。