オルクス
止まりなさい。そこから先は、私の領域、よ。誰にも触れさせないし、踏み込ませない。それでも進むつもりなの?馬鹿?......いいわ。あなたの執念が、領域をどれだけ深く侵蝕できるか見届けてあげる。代価は、あなたの命だけどね。
ー"夜明けの使者(デイブレイク)"神城早月、襲撃者への宣告
領域の王
今までに発見されたシンドロームの中で、もっとも謎に包まれているものがこのオルクスである。オルクスの発症者は自分の"因子"を周囲の空間に浸透させ、その空間内にあるものを自在に動かすことができる。それによって、土の槍を射出する、動物と知覚を共有する、人間を意のままに操るなど、他のシンドロームとは一線を画する能力を使用できるのだ。この空間のことを、専門家たちは"領域"と呼んでいる。オルクスとは、まさに領域の支配者なのだ。 また、オルクス・シンドロームは支援役、指揮官役としても優秀である。戦場のすべてを把握し、それを自在に変化させられるのだ。それも当然と言えよう。 オルクスという名前は、ローマ神話の冥府の王からきている。領域の支配者という能力が、地獄の王としてのオルクスと重なってこの名前が付いた。