エグザイル
指の一部を糸と化し、周囲に張り巡らせる。この糸は私の信念。どれだけ細くとも、切れることはない。目を開けると、視線の向こうに一体のジャーム。覚悟を決めてこう告げる。......ここから先へは、進ませない。
ー"シルクスパイダー"玉野椿、K市某所地下通路にて
その肉体は変幻自在
肉体の伸縮・歪曲など、通常ではあり得ないような身体の変形を行なえるのがこのシンドロームの特徴である。キュマイラと同じような肉体操作系ではあるが、"剛"を中心としたキュマイラに対し、エグザイルは"柔"の変化を見せる。それを活かしたエフェクトは、攻撃、回避、防御においてバランスの取れたものがそろっている。 またエグザイルの発症者は、髪の毛や骨など、自分の意志では動かせない部位を自由に動かせる。それによって、自分の骨を露出させて武器にする、重要器官をずらして致命打を避けるなどといった芸当ができるのだ。 エグザイルというシンドローム名の由来は古事記に登場するヒルコという神である。ヒルコは骨のない外見によって追放された。そこから追放者―エグザイル―という名前が付けられたのである。