この名作がわからない
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【著者】小谷野敦, 小池昌代
【出版】2019, 二見書房
(以下は多分にkana.iconの想像。明言されていないから)
対象読者 :
名作をとりあえず読んでみたけど、なんかピンとこなかったわって人。それでなんとなく不安な人
むしろ好きな名作がある人
名作読んでみたい人
目的 :
名作を、独断と偏見で気楽に読む。
で、その切り口を楽しんでもらう
そんでもって読者もそのように読んでみようとか思うとよい
問題意識・新規性
世の中で名作名作と呼ばれているものは、なんとなく「よいといっておかなければならないような」 雰囲気がある。しかし、実際にはわからないものもあれば面白くなかったものもあるだろう。だからそういうものに対して正直に語ってみる。
完全に新規ではないかもしれないが、たとえば「ドストエフスキー入門」 的なものを読むと当然、ドストエフスキーに感動するもんだという前提で書かれていたりする(小谷野)。そんなふうに、いいものだという前提で書かれている「名作本」 は多いが、「面白くない」 から語る名作本はそんなにおおくない(kana.iconんじゃないかなあ...)
そして、特に最近は、対象を貶してはダメみたいな風潮がかなり大きいから、そんななかでこうもバッサリ「面白くない」 だの「自分にはわからん」 だの言っている本が出ることはそこそこ挑戦的じゃないか、とkana.iconは思う
いくら世間で名作だ文豪だと言われていたって、
つまらない時はつまらない、と言っていいのである。
真の名作文学がわかる対談集
『 雪国 』 『 金閣寺 』 『 グレート・ギャツビー 』 『 蓼喰う虫 』 『 ボヴァリー夫人 』 『 アンナ・カレーニナ 』 『 罪と罰 』 『 カラマーゾフの兄弟 』 …は本当にそんなにすごいのか?
第一章
『 金閣寺 』 『 仮面の告白 』 三島由紀夫
「 楢山節考」 深沢七郎
第二章
『 グレート・ギャツビー 』 F・スコット・フィッツジェラルド
『 欲望という名の電車 』 テネシー・ウィリアムズ
『ロリータ 』 ウラジーミル・ナボコフ
第三章
『 雪国 』 川端康成
『 鍵 』 『 瘋癲老人日記 』 『 蓼喰う虫 』 谷崎潤一郎
第四章
『 ボヴァリー夫人 』 フローベール
『 アンナ・カレーニナ 』 トルストイ
「 かわいい女 」 「 犬を連れた奥さん 」 チェーホフ
第五章
『 カラマーゾフの兄弟 』 『 罪と罰 』 ドストエフスキー
小谷野さんが、なんだかフェミニストっぽい? ことを言うんだけど (こころや三島は女性嫌悪で嫌い、とか)、この人は異性愛者の視点でジェンダー差を自明としてあつかっているからどうもkana.iconとしては反発してしまう。
あまり共感や納得はできない。
むしろけっこうアンチフェミだなみたいな?
kana.iconは、規範はあれど自然で自明な男女差というのは (精神的な意味で) ないと思っているし、自分は女であるとみなされたくないしいわゆる一般に言う、女ジェンダーに適合した女を肯定していないしちょっと気持ち悪いから (なんなら、生物学的女であることを受け入れた女も肯定していないと思う。出産をしたがる人や母性のある人に対する気持ち悪さや恐怖感が抜けない。)
うーん、kana.iconがアンチフェミってコト?
kana.icon の言う「フェミ」 が、女だと扱わないで、女だと見ないで、ジェンダー規範やイメージを押し付けないで、性的興味を持たないで、ってところから出発しているから...これはなんか、本質的にフェミニズムではない気がしてきた。
だいたいkana.iconは根底ではかなりマッチョに憧れがあるから
しかし自分がマッチョでないのを分かっているから、体力もないし運動もダメで根性がない。それで酸っぱいブドウ的にマッチョに反発している。
どうでもいいけどウエスト・サイド・ストーリー (2022)はさ...みていると、肉体的な意味でマッチョになりたいなと思う。腕を筋肉でパンパンにしたいなみたいな。
そして、まあようはkana.iconは「腐女子」 視点で日頃過ごしているから (この単語は好きではないけど。小谷野さんの定義ではこれは「女性嫌悪的な目線を内包したうえで、男同士の友情に憧れている人たち」) 、「同性愛的な」 ものはたぶんかなり好き。
こころは大好きだし、おそらく『恐るべき子どもたち』もテネシー・ウィリアムズもプルーストも好き。
BL好きな人と話して思うのは、みんなわりと自身が(トランス的ではなくて概念的な意味で)「男」 と思っているし、でも実際に男ではないことは分かっている。その上で、男の強固な絆が羨ましいという感じ。
みんな「男に対してフィクションで描かれるような「恋愛」感情は持たないし「恋人」 になりたいと思わない。最上級の感情は"親友になりたい"である」 と言っていて、kana.iconはセクシャルな描写が苦手だからBLであるBLは読まないけど (こころのような解釈次第でBLというものを好んで読む) 、この発言にはものすごく共感するし同じこと思ってるから (何度か「恋人」 をやってみたが、すぐに違和感を持って気持ちが悪くなってしまう。なぜこんな関係をやらないといけないのだろう? と。そして膣性交はとても不愉快だし、行為じたいはともかく性的興味は持たれたくないし。) まあ、ようはマインドが「腐女子」なんだと思う
夢の浮橋/倉橋由美子
ふたりともおすすめしていた本。(まあ、このふたりとは好みが合わなそうだけど読んでみてもいい。)
『風流夢譚』事件
こんな事件あったんだ! すごいな...天皇と天皇制はわりとずっとキープしているテーマだから、いつかこのあたりも深掘りしてみたい
いや、まって、やっぱりダメだ、異性愛者の、しかもやっぱり女性嫌悪ではないのか? この小谷野さんは。
21歳も年下の女と結婚して、「お母さんのおさがりみたいな服をきていて胸がぺしゃんこな女がいい」 みたいなこと言う人、ぜったいに女性嫌悪だね。
kana.iconが思い詰めてソンした。
「暴力はだめ、不倫はだめ」 みたいなこと言って、それはそれ自体は正しいんだけど、「だから読めない、読んでも面白くない」 と言ってしまって、そしてさらに、とうぜんこれはエッセイ的な私的な対談だから別にいいんだけど「自分と違う人が描かれているから理解できない、好きでない」 と言ってしまう。そんなことを (当然のことなのに。それは前提でみんな別のことを言っているんだわ。少なくとも小池さんのほうは、そうだね。) ムキになって言い立てるような人はヘンに潔癖で、だから根本的な意味でロリコンになる。それは年齢的な、あるいは精神的に幼稚なという意味で幼い人が好きというよりは、素朴で無垢で純粋みたいなものをもとめるという意味でね。(マジで、本気で反吐がでるね)。とはいえ、年齢的なものもやっぱり気持ち悪い。12歳くらいの女の子を魅力的だとか言うのがでてきて本当に気持ち悪かった (男がみんなそうみたいなこと言うけどまじ男に失礼)
あ、あと、風俗行くやつがレイプだめとか言ってもなんか...
川端康成
中年女をしっかり描くということで、小池が高く評価している
kana.icon へえ、そうなんだ。まあでも小池さん本人が言っているとおり「それはひとつの型として見ている」 ってことなんだろうから、個人的にはむしろ、書かれると嫌だなとも思う。いや嬉しいけどね。 複雑。気づかないでほしいと思っているから。kana.iconは、今もこれからも、人に見えないままでいたい。これからもっと、気づかれないようになりたいので...。でも女性を性の対象としない作家さんにはどんどん描いてほしい
里見弴
語彙が豊富らしい
日本文学をやる西洋人はゲイが多い。谷崎と川端を訳したサイデンステッカーもそうだし、ドナルド・キーンも
kana.icon そうなんだ。
小池さん→ドストエフスキー
ドストエフスキーは若い時に読むのでなければ意味はないとまで言う人もいますが、中年以降、文学れば意味はないとまで言う人もいますが、中年以降、文学に目覚めた人がじっくり読んでみたいと思う自由は奪わないでいただきたいです。
kana.icon わーん!!! そうやっていってくれる人がいると、うれしい。
小池さんはあとがきで自身のこともそうだと書いているけども、kana.iconは人よりどうやら発達がおそいというのか、なにかをはじめるのも分かるのも遅いから、世の中で「早いうちに」 だとか、たとえば「学生時代にやらないと意味がない」 だとか、そういうことを言われているとショックですぐにへこんでしまう。だって、kana.iconの場合は、「早いうちに」 やってもいい成果が出ないのはすでにわかっているし、だからといって遅くにやってもだめなら、結局「やってもやらなくてもかわらない」 になってしまう。それじゃあ悲しいよう
私は感受性が鈍く、ぼんやりしているので、音楽でも文学でも、「クラシック」と呼ばれるものに対したとき、直ちに感動! ということがあまりない。最初は自分が何を読んだのか、聴いたのかというのが、よくわからない。それでも何か惹かれるものがあると、本の場合は、二度、三度と読み直す。一度読んでも忘れてしまう。私の場合、読書というのは、二度目から始まるといってもいいくらいだ。
......
すべての読書は、途上の読書である。
kana.icon 小池さん...好き...でっかく付箋に書いて貼っておきたいくらい...。kana.iconでも、好きなようにたのしんでいいよね...わーん
kana.icon
小池さんがとってもいいことたくさん言ってくれてなんかファンになってしまった
けっこうバッサリと、「わからん」 とか「面白くない」 とか言う。最近は批判に厳しい風潮だから、なんだか痛快でよい。
そしていちばんいいのは、自分の好きな本がこきおろされているとき (ギャツビーとかね! 笑) あまりイラっとはしないで「いやこれはこういうとこが...」 と、いいたくなるようないいあんばいなところ。
ちなみにこれは(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法を読んでいるときに、なんとなく関連本としていいかなと思って手に取っている。
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読了 : 2022/2/17