2024/10/15 21:54
「おまえさ、なんでそういう感じなの」
蒸し暑さを流すように水を浴びて、校舎裏の流し場で涼んでいたサッカー部の桐島は、同じく、水に濡れた髪をタオルで拭いていたエースの宮村へ声をかけた。
真夏のきらめきを遠くにやりながら、宮村はぱちりと瞬きをして、「そういう感じ、って、何が?」と返した。すこし長い髪が風に揺れ、宮村はうすく目を細める。
「いや、こう。……なんつーの。馴染んでないっつーか」
2024/10/15 21:54
「おまえさ、なんでそういう感じなの」
蒸し暑さを流すように水を浴びて、校舎裏の流し場で涼んでいたサッカー部の桐島は、同じく、水に濡れた髪をタオルで拭いていたエースの宮村へ声をかけた。
真夏のきらめきを遠くにやりながら、宮村はぱちりと瞬きをして、「そういう感じ、って、何が?」と返した。すこし長い髪が風に揺れ、宮村はうすく目を細める。
「いや、こう。……なんつーの。馴染んでないっつーか」
2024/10/14
「先生、ときめきで、日常生活が送れないんです」
消毒された匂いのする白い部屋で、ぼくは白衣のおじさんにそう告げた。これは結構勇気のいる相談で、一笑に付される可能性もあるだろうと思っていた。しかし、担当医師である白衣のおじさんは、ぼくに二、三質問をしたあと、聴診器をぼくの胸に当てて頷き、静かに言った。
「はい、では、お薬出しておきますね」
ぼくはわけもわからないままで看護師さんに案内され、もちろんその洗練された動作にどぎまぎして、なんなら先程の先生の言葉のしとやかさにも心臓を打たれながら、診察室を後にした。
今日も夜勤が終わった。秋風が体温を奪い去り、ごうとした風の音をイヤホンで塞ぐ。ぬかるみの中で動かすような足の重さ。今日はずいぶんと嫌だったな、と思いながら港を後にして帰路につく。血のついた手袋はもう捨ててあるし、どこにも痕跡はないはずだけど、対象がやたらと“元気”だったので、どうにも素直に自然を楽しめない。
まぁ、この仕事を始めてから、素直に何かを楽しめたことなど、数えるほどもないか。そう思い直して、やっと見えてきた街路樹に目線をやりながら、煙草に火を付ける。もうないはずの血の匂いを上塗りするように、煙が通り抜ける。まだ木々の葉は色づかず、景色の中に赤は見えない。それなのに、視界の端には赤色がちらついて、ぎゅっと目を瞑ってそれを振り払う。
from FW:2023/08/16
昔から、手先が不器用だった。折り鶴をきちんと折れたことは一度もないし、飾り付けのための工作だって何度も失敗して泣きそうだった。とても小さい頃は、ドラマなんかをみて、旦那さんのネクタイを締めるお嫁さんに憧れていたものだけど、そういう失敗を経験するうちに、どうやらわたしには無理らしいということに気づいてきた。
だから、もちろん。こうして好きな人に渡すチョコレートが失敗するのも、当然と言えば当然だった。
テーマが先にないと「書いてない」になる、とも言い換えられる
即興小説を書いても「小説書いてない」と思うことの原因だ。
創作をしていて、「これが表現したい」「これが伝えたい」がないとき、文章に価値が無くなる
「書いた量」としての価値はあるが、「創作した」とはいわない。
それは「偶然できた」ものに近い
即興小説
2023/04/02 1h+/2200+-
書いたの お題:錆びた/悠久/遠く
風が舞い上げた“砂”が口に入る。ざらざらとした鉄錆の味。荒野に人影はなく、未だ光は見えない。そのくせ照りつける太陽は殺意が湧くほどに眩しく、僕のことをじりじりと灼く。
もうどれほど歩いてきただろう。ぎしぎしと身体が悲鳴を上げる。動けるタイムリミットは、もう残り少ない。がしゃんと音がして、横目で見ると、当然それはガラクタが崩れた音だ。
/arpla/小説らしき文章を書く方法(c)
で書いた。
基本的にこれは即興小説用だろう。
プロットを組むともっと複雑化する。
複雑にしなくていいんだけどな……ほんとは……