腎不全
#腎泌尿器科
■主な薬剤の腎機能低下での使用時の注意点
●利尿薬:ループ利尿薬は使用可能である.サイアザイド系利尿薬は効果が弱い.アルドステロン阻害薬であるスピロノラクトンは効果が弱く,高K血症の危険があるためあまり使用しない.
●降圧薬:Ca拮抗薬は使用可能である.ACE阻害薬・ARB,β遮断薬は高K血症の危険があるため慎重に使用する.
●血糖降下薬:重篤な腎機能障害では,スルホニル尿素薬,ビグアナイド薬,チアゾリジン誘導体,グリニド薬,SGLT2阻害薬は禁忌.don't
インスリン,αグルコシダーゼ阻害薬,一部のDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬は使用可能である.
※●腎不全に対しては,上記の薬剤以外にも,ほとんどの抗菌薬や抗ウイルス薬,造影剤,抗悪性腫瘍薬などは減量して使用する必要がある.
【使用可能薬剤】
腎不全での溢水に対しては,ループ利尿薬が有効
高K血症をきたさないCa拮抗薬は腎不全例でも安全に使用できる降圧薬
腎不全による代謝性アシドーシスが存在するため,炭酸水素ナトリウムを経口で投与する.ただし,溢水の増悪を助長する恐れがあるため,利尿薬と併用して投与する
【不可】✖
重篤な腎機能低下例では,スルホニル尿素薬などの経口血糖降下薬は使用できない