拡張型心筋症
Dilated Cardiomyopathy: DCM
【病態】左室あるいは両心室の拡張と収縮不全
【問診】
年齢:若年男性
家族歴(遺伝要因は20-40%)
3ヵ月前から全身倦怠感
進行性?:徐々に増悪し呼吸困難(→うっ血性心不全,呼吸器疾患などが鑑別に挙がる.
【身体所見】
Ⅲ音とⅣ音の聴取はいわゆるギャロップ音(奔馬調律)(→うっ血性心不全を示唆する
両側の胸部でwheezes(→気管支喘息に特徴的なイメージが強いが心臓喘息(心不全)でも聴取する.
(陰性所見)
意識は清明.身長175cm,体重62kg.体温36.5℃.脈拍84/分,整.血圧124/74mmHg.呼吸数20/分.SpO2 96%(room air)
【検査】
心エコーでは左室内腔の拡大と左室壁運動のびまん性低下が認められ,拡張型心筋症と診断できる.
https://scrapbox.io/files/681f0aae616ed8d563eb5efb.jpg
https://scrapbox.io/files/681f0ab126f003cbb8bb4f63.jpg
胸部X線写真では心胸郭比60%で肺うっ血を認める
(陰性所見)冠動脈疾患の否定をすること!
血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない
心電図は心拍数82/分の洞調律で,その他に異常所見を認めない
【治療】原因不明であるため、根治療法は心臓移植のみ
1.心不全に対して
生活指導として、水分、塩分、飲酒の制限、禁煙。規則正しい生活、ストレス回避
2.血栓・塞栓症にたいして
抗凝固薬(ワルファリン、ヘパリン)
3.不整脈に対して