側頭葉てんかん
好発:小学生〜成人,高齢者のてんかんでは最多である.
症状:込み上げてくる上腹部不快感(自律神経発作),既視感・未視感,不安感(精神発作),幻臭(嗅覚異常)がみられる(単純部分発作).
一点を凝視して動作が停止し,口をもぐもぐさせる,舌なめずりをする,手足を動かしたり,徘徊したりする動作がみられる(自動症).
発作中意識はなく,発作後にもうろう状態を伴う(複雑部分発作).
検査:発作間欠時脳波で,片側の前側頭部に棘波を認める→側頭葉てんかんを考える.
→原因検索のためMRI検査を行う(海馬硬化を認めることがある).
治療:抗てんかん薬(カルバマゼピン,ラモトリギン,レベチラセタム)などを投与する.抗てんかん薬に抵抗性を示す場合には外科治療を考慮する.焦点切除術(扁桃体海馬切除術,側頭葉切除術など)が行われるが,切除不能または適応とならない場合には迷走神経刺激法が考慮される.