SLE
全身性エリテマトーデス
<Qアシ>20231115
遺伝的素因+環境因子によって様々な自己抗体が産生
→Ⅲ型(+Ⅱ型)アレルギーによる多彩な病変
【臨床像】
好発:15~40歳女性。
疫学:本邦での患者数:6万~10万人。
寛解と憎悪を繰り返す慢性の経過。
多彩な症状・所見(➀~⑧)
皮膚症状と関節症状はほぼ必発。(=蝶形紅斑と光線過敏、関節痛)
円板状紅斑➀
蝶形紅斑➀
光線過敏③
関節痛(変形はない。<過去問20>20231123)④
間質性肺炎などの肺症状は稀だが重篤。治療に反応しにくい。 脱毛<過去問20>20231123
【検査】
血液:
汎血球減少(といったらSLEが鑑別疾患にあがる) ⑤ →溶血性貧血
WBC減少がSLEの活動性の指標(CRPは必ずしも陽性とはならない)
血液補体価↓:免疫複合体が組織のあちこちに沈着して補体が使われる。
抗核抗体(+):感度が高い。i.e. (ー)ならSLEは否定的。|治療しても下がらない。<過去問21>20231123|⑦
※血清補体価や抗ds-DNA抗体は活動性を示す指標となる。活動性は、妊娠・出産を考えるうえで重要。活動性が高いときの妊娠は流産に繋がる。 尿:腎障害 ⑥
血尿
表皮と真皮の境界に免疫グロブリン沈着が観察されることがある
【治療】
ステロイド中心
その他:血漿交換 など。
【SLEの代表的な合併症】
感染症:汎血球減少・ステロイド投与により易感染性になっているため。
【お話➀】110I47
発熱と関節痛から膠原病を疑う。→あちこちに症状があるか?
頬部に紅斑を認める。→SLE疑い。
→抗核抗体↑(20以下)、赤血球↓(380~530万)・白血球↓(4,000~10,000)・血小板↓(13~35万)=汎血球減少
尿所見:蛋白3+、潜血2+、尿蛋白↑(<3.5で正常)、アルブミン↓(>3で正常)
血清で低値を示すのは?
→補体価(CH₅₀)☕
※LD値上昇することも。AIHAのとき。赤血球が壊されるため。
【お話②】109G59
24歳女性。➀両手関節の痛み、②発熱、③2w前に潮干狩り・日焼けした部分に水疱(=日光過敏)→SLE
硬口蓋に地図上の発赤とびらん(=口腔内潰瘍)
尿の異常な泡立ち(=蛋白尿)
予想される検査所見?
→赤沈亢進(=炎症)、尿蛋白養成、リンパ球数減少☕
※SLEでは汎血球減少。
【お話③】99A52
23歳女性。多関節痛、Raynaud現象、妊娠中→SLE☕
【お話④】95H1-3
24歳女性。全身倦怠感とむくみを主訴。←4w前に海水浴に行き、日焼けをしてから微熱・全身倦怠感。数日前からむくみ。
赤血球↓(380~530万)、白血球↓(4,000~10,000)、血小板↓(13~35万)=汎血球減少 抗核抗体↑(20以下)
→SLE
この疾患でみられるのは?
→蝶形紅斑、口腔潰瘍☕
この疾患の活動性の判定?
→抗DNA抗体(↑)、血清補体価(↓)☕
SLEにみられる病態で治療(=ステロイド)に対する反応性が乏しいのは?
【お話⑤】111D36
27歳女性。発熱と顔面の紅斑
抗核抗体↑(20以下)
抗DNA抗体↑(7以下)、CH₅₀(=血清補体価)↓(30~40)=活動性高い
本日から頭痛、めまい、嘔吐、水平眼振=中枢神経症状
頭部CTとMRI。
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次に行う治療は?
→ステロイドパルス療法☕
【お話⑥】109A52
38歳女性。労作時呼吸困難。29歳の時に関節炎、SLE、ネフローゼ症候群の診断、治療中。
胸骨左縁第2肋間でⅡ音(=P弁)の病的分裂
肺動脈成分の亢進(=肺高血圧)、胸部X線写真からもわかる。
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労作時呼吸困難の原因を診断するために最も有用な検査は?
→心エコー検査(右室拡大はあるか?)☕
【お話⑦】112F56
28歳女性。発熱、関節痛と皮疹→膠原病?
頬部に円板状の皮疹
白血球↓(4,000~10,000)、血小板↓(13~35万)=汎血球減少
抗核抗体↑(20以下)、抗ds-DNA抗体↑(12以下)、CH50↓(30~40)
→SLE.
患者に対する説明?
→「症状が安定するまで妊娠は避けてください。」☕
※流産になってしまう恐れがあるため。
【お話⑧】101A53
SLE+右下肢全体に腫脹・発赤・把握痛+ループス抗凝固因子陽性
治療?
→SLE:ステロイド、深部静脈血栓症:抗凝固療法☕