NSIP: nonspecific interstitial pneumonia
非特異的間質性肺炎
【NSIPの病理像を呈する間質性肺炎】
No detectable cause (idiopathic NISP)
Collagen vascular disease (CVP-IP) SSc、RA 肺病変(膠原病) Drug-induced pneumonitis 薬剤性肺炎 Infection 肺感染症
ARDS
Immunodeficiency including HIV infection
皮膚筋炎DermatomyositisにともなうNSIPパターン
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【定義】
病理診断に基づく疾患名。
肺間質の炎症性変化と線維性変化が様々な程度で存在。
病巣の時相が均一であることを特徴とする(IPFなどとの違い)
【分類】
炎症と線維化の程度によって、細胞浸潤性 cellular NSIP と線維化性 fibrotic NSIP
【病理】
軽度~中等度の間質性慢性炎症と炎症領域でのⅡ型肺胞上皮細胞過形成。
線維化性NISP:+時相の均一な間質の線維化(かつIPFの特徴である蜂巣肺形成、器質化肺炎・急性肺損傷など他の間質性肺炎を示唆する所見が目立たない)
【症状】
慢性経過の疾患
自覚症状:乾性咳嗽、労作時息切れ、発熱はあっても軽度
健診で見つかることも
【身体所見】
fine crackles
ばち指は少ない(50%)
【検査】
LDH高値
KL-6、SP-A、SP-Dが異常高値
膠原病関連の自己抗体
<CXR>
すりガラス影、細かい網状影、浸潤影が両側下肺野背側末梢優位に分布
下肺野主体に容積減少を伴うことも
<HRCT>
両側性、多発性のすりガラス影、細かい網状影が胸膜下優位に認められる。蜂巣肺なし。胸膜下から僅かに離れた部分を主体。
病変が両肺に比較的均一に広がっていること
牽引性気管支拡張(著明)
<検査>
拘束性換気障害(肺活量低下、全肺気量低下)、肺拡散能低下
<BAL>
総細胞数の増加、リンパ球比率が増加
細胞浸潤性NISPではリンパ球比率が30%以上となり、CD4/CD8比が低下
線維化性NSIPではそれらの増加は軽度
【細胞浸潤性NSIPの鑑別疾患】
【線維化性NSIPの鑑別疾患】
【合併症】
肺高血圧(呼吸不全例)
ニューモシスチス肺炎などの日和見感染症(ステロイドや免疫抑制薬を連用中)
【治療】
ステロイド(細胞浸潤性NSIP)
ステロイド+免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス、シクロホスファミド、アザチオプリン)(線維化性NSIP)