宿命の交わる城
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書誌情報
講談社、1980年
原題 : Il Castello Dei Destini Incrociati
発表年 : 1973年
目次
宿命の交わる城
城
罰せられた薄情者の物語
魂を売った錬金術師の物語
地獄に堕ちた花嫁の物語
墓泥棒の物語
恋に狂ったオルランドの物語
月に昇ったアストルフォの物語
残されたすべての物語
宿命の交わる酒場
酒場
優柔不断な男の物語
復讐する森の物語
生き延びた戦士の物語
吸血鬼の王国の物語
求めては失われるふたつの物語
私自身の物語を求めて
狂気と破壊の三つの物語
内容
言葉を無くした語り手たちによって、一枚一枚と卓上に示されてゆくタロットを解釈し、ありうべき物語を想像しようとする小説。
「宿命の交わる城」と「宿命の交わる酒場」の二部構成で、前者がボニーフォチオ・ベンボによる細密画タロット、後者が《マルセイユ版タロット》を組み合わせることによって作られた物語になっている。
個人的には、作者自身を登場させてしまってそのまま終わらせている部分と、各エピソードをあらすじのようにして書いているがために物語の物語らしさが損なわれてしまっているように感じられてしまった点が惜しかった。