ダメージ値表示
RPGでは当たり前のように表示されるが、ことACTにおいてはダメージ値が見える・見えないについては作品ごとの狙いがあるようだ。
筆者が印象に残っているのはFF2とFF3での表示の差である。FF2では攻撃アニメ→ダメージ値表示メッセージという流れだったが、敵8体がプレイヤーキャラ4人に全体攻撃魔法を使ってくるようなシーン(竜巻襲来後のフィン周辺とか!)では一人ずつ一発ずつこのアニメとメッセージが表示され恐ろしく時間がかかっていた。 ひるがえってFF3の全体攻撃は並列で全員分アニメが発生し、ダメージ値も対象のそばにポロッと並列で全員分表示され劇的に改善されておりテンポよく全滅したりできていた。
もっともそのようにまとめて表示されるということは急いで目で追わないといけないということでもあり、そんな忙しないことをやらせてはいかん!ということか、DQではドラゴンクエストⅧが出るまでまとめて一度に表示することはなかった。 一方ARPGと呼べるタイプでは特に表示の有無も含めてばらつきが激しい。
メトロイドシリーズやHollow Knightは完全にマスクしているが、一方通行のパワーアップでその回数が限られていることで、あの敵を倒すのが楽になった強くなった!をうまく演出している。攻撃手段のバリエーションが少ないため、肌感覚で強弱をつかみやすいというのもあるかもしれない。 ヴァニアでは多くの作品でデフォルトでダメージ表示があり、数多くある攻撃手段の選択や属性相性の吟味を楽しめる。 プレイヤーに与える情報である、とは別の観点で、「数字がぼろぼろ出ると楽しい!」「数字が増えると楽しい」という考え方もあり可読性を減らしてでも一度に複数の数値を出す演出もあったりする。連続斬撃でヒットするたびカンストダメージが表示されるものなど景気がいいじゃありませんか。 ダメージ値の値域があまり大きくないデザインにx%補正のシステムを加えると小数点以下の丸め誤差が楽しくない効き方をすることがある(ダメージ5に補正+10%がついても切り捨てられて5のままとか)。
一方、律儀にダメージ値を小数点以下込みで扱う上それを表示してくる作品があって、なるほど補正されとるわいという実感は得られるもののダメージ累計は感覚的に概算しづらい。値域、桁数のデザインの難しさである。