集合論
set theory
素朴集合論
naive set theory
「もの」の集まりを集合とする。
「自分自身の集合を含む集合」などを作れてしまい、各種のパラドックスが発生してしまう。
最初に考え出された集合の定義
数学的には部分的に矛盾を持っている。
素朴な定義
要素(elements または members)を集めたものが集合(set)である。
集合に含まれる要素には重複は許されない。
集合に含まれる要素には順序はない。
集合は空であることがある。(要素を1つも含まない集合が存在する。)
集合の要素として集合があってもよい。
例
自然数も集合の一つである。
集合の中のものを要素、または元(げん)と呼ぶ。(用語にブレがある。数学書の多くは元(げん)の方をよく使う傾向にある。「もと」とよく読み間違え、意味も混乱することが多い。このため、ここでは要素と書く。)
例えばりんごとみかんを要素として持つ集合$ Sがあったとすると、$ S=\{りんご, みかん\}と表記することができる。
集合を$ Sと書くのは、英語で Set が集合だから。必要に応じて命名してよい。
集合が空の場合、$ \{\}と記述し、空集合と呼ぶ。空集合は$ \varnothingとも書かれる。
$ \phi(ギリシャ文字 phi)と書かれることが多いがこれは間違いとされる。
TeX では $ \emptyset\emptyset, $ \varnothing\varnothing が使われる。
集合を簡便に表すために、以下のようにすることがある。
「数の集合」を表すのには1字の記号を用いる。
自然数 $ \mathbb{N}
整数 $ \mathbb{Z}
有理数 $ \mathbb{Q}
実数 $ \mathbb{R}
複素数 $ \mathbb{C}
集合の要素を代数で表現し、その代数の条件を縦棒の右に書く。
$ \mathbb{Q} = \left\{\frac{n}{m}\mathrel{}\middle|\mathrel{}n \in \mathbb{Z}, m \in \mathbb{N}\right\}
適切な縦棒の書き方については以下を参照
集合$ Sの中に要素$ eが含まれる時、$ e \in Sと表記する。
集合$ Sの中に要素$ eが含まれない時、$ e \notin Sと表記する。
同一集合
常に$ x \in Aと$ x \in Bが成り立つ時(つまり、$ Aの集合にある要素なら$ Bの集合にもあり、かつ、$ Bの集合にある要素なら$ Aの集合にもあるならば)$ A = B (同じ集合である)