リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』
ドーキンスは有性生殖は利己的遺伝子であって個体にとって適応的なわけじゃないんじゃないかみたいに言ってるけど、コウガイビル、アブラムシが有性生殖と無性生殖(単為生殖)を使い分けているらしいから、適応なのでは? と思った。
ヒルガタワムシ
ヒルガタワムシは、数千万年にわたってメスだけの無性生殖で繁栄してきた動物でもある。通常、無性生殖を続けると遺伝的多様性が失われて環境の変化に適応できなくなると考えられている。しかし、ヒルガタワムシのDNAにはバクテリアなどの遺伝子を水平伝搬により取込んでおり、多様性を保っているのだ。
ayu-mushi.icon進化的価値
(主観的含む)価値が行動の説明に使われるときの役割からの類推、「リスク」「重要」「理由」「目的」「害」「労力」「コスト」、ゲーム理論、意思決定理論などの用法の転用から、行動の仕方や特徴の出方についての進化的な説明につかわれる「進化的価値」(おそらく適応度と同義)というのは措定できないだろうかと思った(価値じゃなくて選好との類推でもいいか)(選好は主観的価値なので)
不滅の受益主体としての遺伝子
「個体」概念
個体があること自体が進化の結果である可能性
「遺伝子の長い腕」p.367〜
サールのミリカンに対する批判、「咳はウイルスをまき散らすためだということになる」は、まさに延長された表現型仮説の帰結だ。
いかにして個体という単位が成立するか、という話おもしろい。
方法的個人主義が成り立つ条件とも関連するだろう。
一卵性双生児が同一になったりして
//ところで、利己的遺伝子の振る舞いは、ほとんど精神を同期した幾つかの機械肉体の行動とのアナロジーで理解するのがいいかもしれない。
//他の機械肉体に自分の精神のほとんどが残っているなら、寿命が近い機械肉体にとって自己犠牲的行動は容易だろう。
組織の経済学と利己的遺伝子論
寄生虫が精巣や卵巣に寄生し、生殖能力を奪い、肥やして栄養にする。
避妊手段を講じることは遺伝子に対する遺伝子の乗り物の反逆だが、避妊具なしの方が興奮を感じる人が多いので、避妊を講じない人が進化してくるという「遺伝子反革命」は遠い未来では有り得ない話ではないのでは 尾上正人: 顧客投資家(遺伝子)とブローカー(生存機械代理人)の譬え…「一般に、代理人と顧客の目標はたいてい同じ方向を向いているが、彼らの目標が同じでないなら、代理人と顧客の利害が対立する状況は想像できる」p.5.
利己的な遺伝子説とピコ経済学って似てる
One of the most interesting questions raised is when prions will act more like genes (and thus be largely beneficial to the organism) and when will they act more like harmful diseases. Prion diseases include Creutzfeld-Jacob and "mad cow" disease. According to the replicator/vehicle theory described by Richard Dawkins, if the prion passes through a similar reproductive route as a gene it will tend to be selected like a gene and thus evolve to behave more like a gene (in terms of whether its effect on the organism is helpful or harmful, not in terms of its mechanics, where a prion is very unlike a gene). But if the prion passes from one organism to another through some other route (as in the cannibalism route of mad cow disease and kuru) it will be selected more like a disease and thus behave more like a disease.
"Prion evolution"
もともとは共同体が滅びたらミームも滅びるから運命共同体だったけど、拡散速度が上がると利害相反が発生する、とすると、拡散速度が上がったいまミームは遺伝子モデルよりウイルスモデルで捉える方が正しくなってきている?
反社会的な言説や思想、情報の拡散速度が遅かった時代ならば思想の効力が拡散速度を上回って反社会的共同体が自己崩壊するのである程度で拡散が収まるけれど、ネットなどで拡散速度が上昇している時代ならばパラメータをうまく調整すると反社会的思想が人類全体に広まってから崩壊して絶滅に持ち込める
「個人という概念自体が市場経済の発達に伴って約200年前に生まれた比較的新しい概念である」(神戸善久「アンチ東京化」(現代文の問題に抜粋されていた))などと主張する人を見たが、「遺伝子の長い腕」に従えば、「個体」という概念は、有性生殖(or, 配偶子)の発展に伴って約12億年前かそんくらい前に生まれた比較的太古の遺物である、というのが正しい。