逸脱の歴史
人類の全歴史には、偉大なる先人、無限大のほうへよろめき出た逸脱者たちの姿しかない。私達に語りかけてくるのは、かれらである。それは同時に、偉大な迷妄の歴史でもある。 逸脱者とは何者か?
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それは、逸脱の歴史です。~
私達の歴史は、事実の厖大な集積ではない~
一を一と合唱する愚かしい声は、消えてしまって残らない
美しい諧音(言葉)も消えてしまう宿命にある
美しい言葉:樹木の自然な調べと、近代人の絶望的なイロニー どうするか?―目的(人類の理想)を変更してしまう
目的が変わると、基準が一変し、世界のあらゆる形が違った相をあらわす→違った価値を示す
首・・・ワグネル(『ファウスト』)はホムンクルスをつくった。人間的な尺度からいえば不完全だが、そのような尺度を問題外とすれば、それは新しい創造である。「逸脱者たる栄誉をになう以上、何を創るかでなく、まったく新たなものを創ってみせねばならん。」 「人間を基準とする目的」は、「存在が存在たり得なくなった無限の涯の地点」へ消えこまなければならない。
そのためには、「私自身を超克」する、つまり「人間は人間を超克せねばならない。」