西洋哲学史:ギリシャ哲学(タレス)
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タレスは書物も断片も残していない。
生粋のミレトス人とする説とフェニキア人説とがある。
※ミレトスはアナトリア半島の西海岸にあったギリシャの植民市 (現在のトルコのアイドゥン県バラト近郊)
ー万物の始源(アルケー)は水である
大地は水の上に浮かんでいる
なぜそのように考えたのか。
すべての栄養は湿っている。また熱も湿ったものから生じ、それによって維持されていること、さらに万物の種子が湿った本性を示していることを観察したため。 (アリストテレス 『形而上学』)
神話世界の影響
オケアノス(海)は大地を取り囲んで流れる大河であり、すべての水の源である。大海はまた神々がを子から生まれたふるさとである。(ホメロス)
ミレトスの風土
ミレトスから見たエーゲ海(多島海)の景観
際限なく生じる波の反復、海が雲を作り雨となって降る循環
その他にタレスが語ったこと
”万物は神々に満ちている。”
”磁石は鉄を引きつけるがゆえにたましいを持つ”
(アリストテレス『デ・アニマ』)
関連ページ:
ヘシオドスの神統記をはじめ世界の成り立ちを説明したものはあるがなぜタレスが哲学の始祖なのか。
「世界すべての原理は何かという、かつてない問いを発したこと自体が重要である」
「”全ては一つである”という思想が含まれている。」
(ニーチェ 『ギリシャ人の悲劇時代の哲学』 )
哲学以外の分野でも多彩な人物
タレスは多くの先進的な知識を周辺地域からギリシャに移植した。
エジプトから幾何学を、カルダイアから天文学を、フェニキアからは代数の知識をギリシャに持ち込んだ。
前585年5月28日の日蝕を予言。
当時リュディアとメディナは戦争中だったが、タレスの日蝕の予言が的中したため彼らはこの戦争をやめた。
(ヘロドトス『歴史』)
タレスは当時から著名人でギリシャ七賢人のひとりに数えられている。
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