短歌だよ
1なやむこと、かなしむことはよく似てる かさなる影がぼやかしている
2産声も聴けなくなったこの頃はあの日をなぞり純粋ぶった
3梅雨入りをずっと待ってる曇り空君のせいだと悩んでいたい
4君たちが捨てた空き缶で生きますだから一生かわいてください
5なくなった全部忘れたとりあえず廊下に立って考えてみます
6雨が泣く巡る季節が運ぶ風ぬるい気持ちが肌をふやかす
7愛すれば人になれると思ってた造花の薔薇に光はいらない
8瞬いた鳥の鳴き声網戸ごしぼやけた景色濾された音色
9あいにくのレイン、ブレイン起こすためアップテンポのカフェイン流す
10包丁の先が丸くて死ねないと夕飯作り思ってしまう
11一日は足りすぎている 少しだけ残してしまったごはんみたいに
12今はただ夜が来るのを待つばかり草木は揺れて涼しく眠る
13この水をあげることだけ できるのは 必要なのかわからないけど
14人生をただ眺めては通り過ぎ 僕の芝生が一番青い
15アスファルトぬるい光が反射して油彩画みたいにてらてらしてる
16雨が降る汚い雨はまた汚れ あらいだされる僕らの罪が
17蒸しタオルみたいな風が縋りつく 糸がほつれて地獄に堕ちる
18あの星に手が届いたらなによりも孤独になれるそんな気がして
19重力に逆らえぬまま夜が来て沈んだ心は浮かび上がって
20水飲んでラーメンスープまた飲んでいつまで経ってもかえれなくって
21道すがらかわいい石を拾ったの なんてことない石ころだけど
22無関心 よくある話 ありきたり そんな気がしてぎゅっと握った
23「夏、嫌い」暑さに茹だる君は今アイス片手に風を浴びてる
24愛じゃなく、もてなし合ってるだけだから次のお客が来たら帰れよ
25 死にたいと君は言うけどいつだってきれいな水を飲みたがってる
26坦々と死に方ばかり考えて疲れたからとチョコを食べてる
27感動のクライマックス 涙して平均的な人を演じる
28僕たちは惑星でありひかれ合う おもいおもいにおもさを忘れ
29日が沈む あの海の果て さよならとまたねを握り 改札を出る
30君の手の冷たさを知る夜の底 砂浜の熱を波は知ってる
31鳥たちは雨が上がって戯れる その鳴き声で青空を知る
32電線を伝う電車の走る音とぎれるようにつながっている
33点線をなぞるみたいな生活だ途切れ途切れでばらばらな日々
34金持ちになりたかったの大切な人たちだけで暮らしたいから
35やりがいがお金だったら働けよ 創作なんてしなくていいよ
36月あかり青くさびれたこの部屋で待っているのは星の信号
37紙とペン ギターと歌が そこにある それでいいと思うんだけど
38なんとなく朝の隙間に怯えてる 霊感とかは特にないけど
39青春をブルーバックで切り抜いて現実世界にコピペしている
40この部屋は蒼い吐息に満ちていて藍染の夜月に渇いて
41ぽつぽつとぬるい雨粒降り出して涙のように肌を流れる
42誓いとは星の光がいつまでも私たちを照らすことです
43僕たちは肝心なとき足りなくて送信画面 通信制限
44死にたいと考えながら早二年、今日も元気に生活してます!
45太陽にまばたきしては流れ星願いがかなったみたいな空
46朝起きて顔やまぶたに張り付いた湿気が眠気の膜をつくる
47短冊に書いた祈りが首をしめ腐った液が鼻を詰まらす
48正しさでつき堕とすより過ちで救えるほうがずっとよかった
49人生に採点なんてないからとケアレスミスをたしかめしない
50雨の日は母が転びはしないかと心配になり落ち着かなくて