日本を創った思想家たち要約1古代~中世
古代
・日本書紀 日本固有の歴史とともに、固有な思想が始まった。独立宣言。皇統。聖徳太子。権力の正当化 ・最澄 仏の救済の前で平等である。一乗思想。成仏平等 ・空海 即身成仏を説いて頂点にのぼる。三教指帰はドラマ形式。日本の密教の中心思想は仏との繋がりを見出す即身成仏の垂直構造と、それを基盤とするが現実の世界をより理想的なものとしてゆく密厳国士の水平構造を統合したものである。論争の人。 ・紀貫之 和歌を二流から一流芸術へと和風の表現用紙をはじめて提示する 和文日記により、史書と同格に人や事件を書けるようになり、筆者が成熟した視点で書き、読者を想定して書かれた。土佐日記は女とすることで隠さなければ書けないほどの世のつらさを書けた。 ・紫式部 和文世界の構造。史記のヤマト版。もののあわれ。権力ドラマと宿世因果。 ・清少納言 随筆ではなく実録日記。生きた事実の描写力で枕草子を書く 中世
・鴨長明 すきの遁世。方丈記は無常をテーマにした。無常を仏教のように三宝への帰依で解消せず、隠遁を説き生活水準を落とし、風流生活の精神高さのみ維持した。 孤高の精神 ・藤原定家 意識の深層を把握することこそ歌の本質。 後鳥羽上皇は現実の事象や生活感情を詠じるところに和歌の本質があると対立。この対立は作品は発表されると作者から独立した存在になるその享受は作品自身の表現によってのみなされるべきだが、一方で作者及び作品の生まれた状況を知ることによって享受が一層豊かになるの対立である。 ・栄西 禅が仏法に再興と国家に鎮護をもたらせる。 臨済宗の開祖。 天台学の再興は修正。末法により腐敗した旧仏教を最澄の精神に戻れと持律持戒を徹底させた。現実逃避の達磨宗に対立し興禅護国を主張。 ・法然 比叡との共存で専修念仏を守る。 末法思想下の衆生救済。成仏難し、往生易し。「悪人なおもて往生す。いわんや善人をや」は法然が発した。
・慈円 法(現実)は道理(理性)によって「自性(アイデンティティ)」を持つ。兄は関白、法然に帰依するも天台座主でもある。因果応報 日本の国法は万世一系。同じ血筋なら立派な方を天皇に(皇位継承肯定争いの肯定)、天皇一人では政治ができないので大臣が必要(摂関政治の必然)。因果応報で悪王退位の必然。武家の進出も肯定。
・親鸞 南無阿弥陀仏を念じ、他力の中の他力を歩め。 教行信証。宗教の否定する宗教。日本最大の教団。
・道元 真実の仏法は深山幽谷にあり。仏祖単伝。修行至上
日蓮 末法の世だ、直接釈尊に繋がれ。立正安国論。専唱題目。
吉田兼好 モラリスト、人間通の皮肉屋。随筆体日記。重要なのは世間の折り合いで、内容はプルタルコスの「モラリア(倫理論集)」より鋭い。妥協性の幅が狭い。ラ・ロシュフコーの「エピグラム(蔵言集)」よりもソフトで広い。冷酷な観測者で論理的な文体。
北畠親房 皇統は如何にして守ることができたか。「大日本は神国である」。正統論=皇統不断論で後醍醐天皇も否定か?。親政、院政、二重権力の是認。北条泰時の評価。天皇謀反論でも後鳥羽上皇とともに批判か?。南朝武士にリターブル
飯尾宗祇 連歌は古典の革新が目的 全体の流れを重視して平淡と差異、死後に連歌も一部の人の寡占になり衰退する
心敬 氷の無色透明さには全ての色が秘められている 幽玄が連歌の「冷え」で徹底される
日本を創った思想家たち 要約2に続く