反文化としての芸術または全体小説の偽造性について
1977年 岩波書店『講座文学』第12巻所収、原題「小説は日本の状況全体をどうとらえうるか」
余談:おそらく、ちくま学芸文庫『ドイツ・ロマン主義~』の浅井健二郎による解説と照らし合わせると、大学院のゼミ生であった浅井の行った『ドイツ・ロマン主義~』についての報告が、この影響のきっかけなのではないか。 内容
第一節 無限としての世界
1 占い女の水晶球とおきさきの鏡
2 全体から無限への転換
第二節 開かれた構造体としての芸術
1 無限の連関としての自然と人類史
2 構造としての文化
3 反文化としての芸術
4 作家の構想力と想像力
第三節 現代日本における小説の方法
1 様式の不在と無意識的構造
2 小説の困惑
3 実験としての小説