今日の短歌アーカイヴ03
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1日1首限定で短歌をしるすページです。
一行日記の感覚で気軽にしるしてみてください。
自作のものでお願いします。
2021/1/1
明けましておめでとうというよりも私が明けていかせる意気込み/むらさきらでん
紅い陽に掲ぐその手で同じ空渡そう凍てる蒼い月にすら / 雨水うい
2021/01/02
負けるたび描かれていく墨跡は きみ色だから僕もはねつき /島崎みとん
寝そべったH₂O仄明く道に頭に白き重さで / 雨水うい
2021/01/03
浅く吐く息にいざよう燕の尾ふるう舞台につまさき預け / 雨水うい
2021/01/04
両の眼と肺に満たした透明を天に差し出す苛烈の一指 / 雨水うい
金食えば福が成るかと思ったの この紙は人をたくさん殺してきたし/むらさきらでん
2021/01/05
嵐燃ゆ球と網との輪郭を祈る気振りで閉じ込む儀式 / 雨水うい
虹色の幼子の靴走り去る ここが世界の末端みたいに /島崎みとん
2021/01/06
潮の香密に漂う午睡の樹烏有に帰する終の額縁 / 雨水うい
黄昏が閉じ込められたカギの奥 叩き割りたいこのセカイごと /島崎みとん
2021/1/7
ココマドも床に横たう開襟もうなじのスミレと似ていて違う / 雨水うい
2021/1/8
小さな箱の中に小さな箱つくるこの箱の中で夢潰えたい / 雨水うい
2021/1/9
凍てついた白壁唸る灰の空見つめる上にも下にも宇宙 / 雨水うい
2021/1/11
弁当のフタも閉めずにながながと理詰め論づめ同僚の愚痴 /久住哲
海豹の體登るは子海豹脇に滑るが後のあらまし/西瓜
2021/1/14
人間は生ける屍 一人っ子政策の頃わたし生まれた /久住哲
2021/1/15
ガーベラを花氷にいつするか考えすぎて死を待ち構えてる/むらさきらでん
ラーメンのコール「脂ちょっと」では通じず言い直す「脂ちょい増し」 /久住哲
この世にさ味付けしてよ中華味 ちがうねそれじゃマックス・ウェイパー /島崎みとん
2021/1/16
切り詰めたかきつばたに包まれて、天井を見て解放を思う/むらさきらでん
この人さ不倫したわね 奥様の背表紙を指すおほきな御声 /久住哲
2021/01/17
教養は知るだけでなく使うこと骨だけ残す塩鮭のこと /島崎みとん
片付けの段ボールすら僕のこと嫌いなんだと解らせてきた/むらさきらでん
2021/1/20
明け暮れる感染症の毎日は もとより先のみえない我ら /久住哲
壮大なBGMが流れてる油そば屋は創業4年 /スズキ皐月 ※平和園にも書き残してきた
2021/01/22
このほしであったかいとこあったから ゴールテープをリボンにするわ/島崎みとん
2021/01/26
駅前に昨日なかったローソンが出来てて魔法をちょっと疑う / 島崎みとん