今日の短歌アーカイヴ01
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11/22〜11/30までに書かれた短歌です。
2020/11/22
付箋つく歌は 君好みのもので 歌集が閉じてまぶたもとじる /久住哲
秋天に晴れ着の朱が煌めいて成長願い出かける散歩 /島崎みとん
毛糸玉かたづけコーヒー淹れる背にあずかる体温「これが愛だよ」 / 雨水うい
バスに乗る夢ばかり見る目覚めたら街には付箋が一枚ついてた / スズキ皐月
2020/11/23
洗濯機回してかじる一口目未だ熟さずかたい板粕 / 雨水うい
人はなぜふと感傷にひたるのか色違いのトレーナー見る/島崎みとん
汁だけのどんぶりのねぎつまみおえ七味までとる兄の箸先 /久住哲
2020/11/24
一錠の魔法が溶けたこの身体無意識の海すやすやたゆたう/島崎みとん
をとこ消ゆ我が裸の背とりてをりものいふ貌のほほゑめるべし /久住哲
前も見ず値引きシールの顔見知り自動ドア背に駆けるぬばたま / 雨水うい
2020/11/25
自販機の覚えてないのは昨日 今日思う4年前の微光/で電、電で電
灰の空 松の断崖波砕く カフェ・オ・レ フィナンシェ ラム酒の温度 / 雨水うい
感情は売るといくらになるものか 価値はあるのか無能なアイに/島崎みとん
まどろみの極厚レンズ僕の眼は響ける声を吸収したり /久住哲
年を取ることは止まらず前に立つ足が綺麗だエスカレーター/スズキ皐月
2020/11/26
階段の音を殺して歩くようなそういう人生でしたのね。/で電、電で電
給料日前日口座を確認す 残高二桁はまあ想定内/カタ
母さんと姉貴とネ友と公式垢 22歳のLINEの友だち/柳田満
駅前でヅラのおっさん配ってた刷られ拒まれ踏まれ去るカミ/島崎みとん
おほきいね、こはいくらゐと みつめるに脂肪とフアルスの關繋を云ふ /久住哲
2020/11/27
冷たいお部屋 冷たい目 冷たい手 そして私の熱い御心/で電、電で電
心臓の下の辺りがざわついて私はひとり取り残されて/くま子
箱舟が川に押され流れるようレジに向かうは信頼の意味/島崎みとん
2020/11/28
家にいる外出中もついてくるお前は誰だ。胡蝶のごとし/くま子
名も知らぬ大して熱くない金と唐揚げ一個おまけする仲/で電、電で電
ゆびのはら折れぬ氷柱を分けあって進め溺れよからの方舟 / 雨水うい
冬の田はゆきもやの中どこまでもどこまでも地をつづくきがした /久住哲
谷底でうずくまってるその耳に届いたならばあなたもうたって/島崎みとん
2020/11/29
教室の虫喰いとばかり親しんで箒はひとり反復横跳び / 雨水うい
冬の朝、太陽をただ、ただ見つめ焦がれるときに脚は手摺りへ/くま子
人生の言えない汚点見せたくない ひとつふたつ、え?みっつ以上は・・・/で電、電で電
がらくたは「我に楽しみは多い」ってそういう意味だろ そういうことだろ/柳田満
宇宙から枠にハマった歌がする「龍はぎ電話シンクは大事 」/島崎みとん
プールでもあたたかい箇所がありましてそのぬくもりは布団に似てます /久住哲
逃げ癖がついてる君は泣きながら敵に囲まれくるくるまわる /スズキ皐月
2020/11/30
カマキリが無謀に威嚇する午後に2キロの米を持ち帰る僕/で電、電で電
夕焼け小焼けポトフ小松菜だし巻きピカタゴールテープにそろえる合図 / 雨水うい
スキップのできないオンナ赤髪を揺らして歩く何も無い街/島崎みとん