アナログレコードを買う
みなさんは普段音楽をどのような媒体でお聴きでしょうか?
CDかな?youtubeかな?Spotify、Apple Music などのサブスクリプション型ストリーミングサービスも好調ですね。
昔は手に入らなかったような音源も簡単に聴けて、いい時代になりました。
僕はたまにアナログレコードを買うことがあります。
デジタル音源が主流の時代ですが、個人的にアナログの音が好きです。
レコードは根強い人気があり、新作をレコード盤でも発売してくれるアーティストもたくさんいます。
ただレコード盤はCDやデジタルダウンロード販売よりお値段がちょっと高いので、たまにしか買えないです。😢
(オークションや中古レコードショップを徘徊して、中古で安く手に入れることもできます)
前置きが長くなりましたが、このページは僕が購入したレコードを紹介していくページです。
基本へんな音楽しか買いませんが、こんな珍奇な音楽をお金出して揃える人もいるのか、と何かの参考になれば幸いです。
2021/12/8
https://gyazo.com/ad7f35bc4ed514b78ee07bca0704f2fd
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ばる日記に書いたのですが、レコード屋巡りをしてきました。 三軒まわって、4枚のレコードを買いました。
映画『エクソシスト』サウンドトラック(二段目の写真右)
IL REALE IMPERO BRITANNICOによるイタリア映画「perche si uccidono」のサントラ(三段目の写真)
ヴァン・ダイク・パークスはアメリカの音楽家です。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンとの仕事で有名ですね。『スマイル』の作詞家としての参加したけど色々あっただね。細野晴臣とも仲良いよね。パークスは奇才と呼ばれててワーナー・ブラザース・レコードで結構期待されてたんですよ。だけど伝説のデビュー・アルバム『ソング・サイクル』は全然売れなかったんだね。でも『ソング・サイクル』は知る人ぞ知る名盤として今でもめっちゃ評価されています。今回買ってきたのはセカンドアルバム『ディスカヴァー・アメリカ』です。1972年のアルバム。『ソング・サイクル』にあった薄ら怖ろしい(どこに中心があるかわからない)ミックス感覚は無くなりまして、本来パークスの目指していた「アメリカ音楽の掘り起こし」を中心に展開しています。パークスのいいところは、「アメリカ音楽の掘り起こし」を単なるカントリーだけに終わらさずに、いろんな音楽にも注目しているところです。このアルバムはトリニダード・トバゴやカリプソ(カリブ海の音楽)が入っています。カリプソは1930年代頃からアメリカでも一般大衆に聴かれるようになりました。それらのカリプソのナンバーをパークスが編曲したものでしょうか。アルバムのジャケットもトリニダード・トバゴ行きとハリウッド行きのバスに分かれていていいですね。 二枚目のセシル・テイラーはアメリカのジャズ・ピアニストです。いわゆるフリー・ジャズ系のピアニストなのですが、クラシックの素養も入っています。このアルバムは1973年の東京公演のライブ音源なんですよね。でもめっちゃ音いいです。蜂の巣の変なジャケットなんですが、めっちゃいいですこのアルバム。二回言ったんですが、、買って帰ってきてから、今のところ一番聴いてますね。僕は元々セシル・テイラーは好きなのでいくらでも聴けるといった感じですな。皆さんにもおすすめしたいのですが、「いや、めちゃめちゃやないか」と言われそうでなかなかおすすめはしていません。改めて聴いてみるとやっぱりジャズというより現代音楽寄りだなあと思いましたが、彼のタッチの感覚にはちょっと肝抜かれますね。 セシル・テイラーめっちゃいいですね。Jam中におっいいなと思って耳を留めたのがだいたいテイラーでしたイタロー.icon
テイラーいいですよね。フリージャズというと崩壊した印象を受けやすいですが、テイラーはリズムがドライブしてる感覚もあるので、いいと感じるんでしょうかねばる.icon
三枚目はあの有名な悪魔祓い映画『エクソシスト』のサントラです。このサントラには非常にややこしい逸話がありまして、『エクソシスト』にはマイク・オールドフィールドのチューブラー・ベルズの「パート1」の冒頭が流れます。現代でも聴き継がれる非常に有名なテーマであります(多分みんなも聴いたことあるんじゃないかな)。この不穏な音楽と映画の雰囲気も相まって映画は大ヒットを記録します。で、映画の大ヒットにより、チューブラー・ベルズも有名になるのですが......実は『エクソシスト』のチューブラー・ベルズは、オールドフィールドに無許可で使われています。なので、オールドフィールドはサントラが発売された時に、発売元のワーナーを訴えました。自分のアルバムは売れたからいいじゃんとも思えますが、オールドフィールドはチューブラー・ベルズを「大自然をテーマに、愛と平和を訴えるために」作ったんですね。なので、悪魔のテーマとして扱われるのがたまらなく嫌だったそうです。そんなこんなで、『エクソシスト』のサントラはアメリカで流通した分以外発売中止になります。 ここからがややこしいのですが、どうしても『エクソシスト』の人気にあやかりたいワーナーは、「オリジナルが使えないならカヴァーバージョンならええやろ」ということでチューブラー・ベルズを元にしたいろんな「エクソシストのテーマ」を発売します。なので当初発売された日本盤『エクソシスト』のサントラにもオールドフィールドのチューブラー・ベルズではなく、『ミスティック・サウンド』という謎のグループのカヴァーバージョンが収録されています。日本でも非常に人気のあるテーマなのですが、日本人は「エクソシストのテーマ」は、『ミスティック・サウンド』バージョンを聴いている可能性が高いのです。
今回買った盤にはオールドフィールドのチューブラー・ベルズが入っていました。
そんで今回聴いて思ったけど、これ思ってたより現代音楽成分強いな!ペンデレツキとかアントン・ヴェーベルンも入っています。ホラー音楽=現代音楽というイメージに強い印象を与えてるんじゃなかろうか。 四枚目は一番よくわからない商品でした。一枚こういうものを挟むと楽しいですね。イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドにゴブリンというバンドがいるのですが、IL REALE IMPERO BRITANNICOというのはどうも彼らの変名のようです。だから、ゴブリンのメンバーが担当したイタリアの(よくわからない)映画のサントラのようです。サウンドはなんかゴブリンにしては軽いサウンドで、「なんぞこれ」って感じでした。ゴブリンといえばダリオ・アルジェント監督の映画『サスペリア』のサントラで有名なんですが、それとはちょっと趣が違いますね。
2021/8/25
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ディスクユニオンから三枚のレコードが届きました。
マルセル・デュシャンの『THE ENTIRE MUSICAL WORK OF MARCEL DUCHAMP』(真ん中) 1枚目、ナースの『Merzbild Schwet』は以前から欲しかったのです。アウトレット価格になっていたので買いました。
このアルバムは(あくまで個人の感想ですが)すごくいいです。ダダイズムを音楽で表現してしまった感じです。語りたいことがたくさんあるので別ページに分けます。→Merzbild Schwet 2枚目は、もし訪問客が来て、なにかレコードをかけようか......となった時に、「そういえば、あのマルセル・デュシャンの作った音楽があるんだよ」とドヤりたかったので買いました。このレコードは、デュシャンが作曲した楽曲をS.E.M. ENSEMBLEという人達が演奏している盤です。ジョン・ケージの「偶然の音楽」に影響を与えたそうです。聴いたらすごくつまらなかったので、二度と聴かないかもしれません。購入動機が音楽そのものと関係ない場合、だいたい失敗します。 3枚目は、モーリッツ・フォン・オズワルドというドイツのテクノ、エレクトロニック・ミュージックの大御所が三人編成で作ったアルバム。2009年ぐらいのアルバムで、名盤です。中古で安くなっていたので買ったのですが、思ってたよりヤバいアルバムでした。麻薬みたいなアルバムです。この人は昔ベーシック・チャンネルというプロジェクトをやってましたが、それも麻薬みたいな音楽です。ミニマル・テクノやミニマル・ダブの礎を築いたと言われています。 ひとつ気づいたのは、『Vertical Ascent』というタイトルは日本語に訳すと『垂直上昇』という意味です。オズワルドはこれと同時期に『Horizontal Structures』=『水平構造』というアルバムも出しています。一般的?に音楽には「垂直方向の響き」と「水平方向に持続する音の連なり」という概念があると言われています。垂直は縦の概念→空間であり、水平は横の概念→時間です。オズワルドがこの両方の概念を意識して作ったとすれば面白いです。一方は空間を、一方は時間を意識させる作りになっているのでしょうか。『Horizontal Structures』と聴き比べてみたいところであります。