diskursivな認識における概念【純理】
思考と概念と関連づけ
光文社古典新訳文庫でいえば2巻pp51-52のところ
悟性は思考能力だと言われ、思考は概念による認識であると言われ、そして概念について解説がある。 Begriffe aber beziehen sich, als Prädikate möglicher Urteile, auf irgend eine Vorstellung von einem unbestimmten Gegenstande. So bedeutet der Begriff des Körpers etwas, z. B. Metall, was durch jenen Begriff erkannt werden kann. Er ist also nur dadurch Begriff, daß unter ihm andere Vorstellungen enthalten sind, vermittelst deren er sich auf Gegenstände beziehen kann.
【拙訳】様々な判断をするなかで、われわれは概念を述語として用いる。述語となるその概念は、未規定な対象へと関係する。例えば、物体の概念は何かを指示する……例えば、金属を……すなわち、物体という概念によって認識できるものを。物体の概念が概念であるのは、ひとえに、そのもとに複数の異なる表象が含まれているからだ。ところで、これらの諸表象があってこそ、その概念は諸対象へと関係することができているのである。
「未規定な対象」→「現象」 cf. B34(1p70)
ここで、「Be-griff」と「be-ziehen」と「be-deuten」に共通する「be-」という非分離前綴りに注目することには意味があるか、それともないか。 もしここでの"bedeuten"が"mean"といった意味ではなく、むしろ"deuten"に近いとしたらどうだろうか。すなわち、「物体といったら、金属」という日本語表現における「……といったら……」に近いとしたら。
というのも、「物体という概念は[……]金属を意味する」という日本語は意味不明だから、そのように訳すことには抵抗を覚える。
「物体といったら、例えば金属だ」という日本語は意味がわかる。
「……といったら……」という日本語表現は、あるものと、それに関連するものを提示する。 「物体といったら金属。金属と言ったらあの金属とか、この金属とか。そしてこの金属といったらこれ[鉄塊を指さす]だよね」という風に、物体(概念=述語)に関連するものとして最終的に対象が提示される。逆から言えば、その対象は物体概念と関連づけられている。
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mindmap
物体
金属
鉄
この鉄板
銅
この銅線
鉛
この鉛エプロン
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