ギリシャ神話のおはなし①(☕2)
序詞を覗けば文庫にして約103ページの古典詩。
ヘシオドスは大の女嫌いであったそうで、女性蔑視的な表現があるのだとか。 神々の性別と家族構成(関係性)、舞台になった土地を確認していきたい。
原初の生成
あるところに裂け目・カオスがありました。
そこから〝大地〟ガイアと〝奈落〟タルタロスと〝並びなき美神〟エロスが現れました。(不思議なことにこの3人姉弟神はカオスの子として扱われない。) この原初神たちがギリシャ神話で活躍する神々を生んでいきます。
カオスの子
カオスは〝幽冥・エレボス〟と〝夜・ニュクス〟(2人兄妹)を生み、更にエレボスとニュクスが交わり、 〝上天の空気・アイテール〟と〝昼・ヘレメ〟が生まれました。(2人兄妹、系図的にはこの時点でカオスはおじいちゃん) ガイアの子
一方ガイアは始めに、自分と同じほどの大きい〝天・ウラノス〟を生み、 次に(大地だから)山々と、〝大海・ポントス〟を生みます。(2人兄弟神) しかしどういうわけかクロノスだけは父であるウラノスに憎まれていました。
更に更に、ウラノスとガイアは姿の違う神々を生みます。
彼らは大きいだけでなく体力も腕力も雷を司る技術もありました。
ウラノスの去勢とアプロディテの誕生
キュプロクスとヘカトンケイルは恐ろしい姿と力を持っていたために、父神のウラノスは彼らを憎みました。
そしてガイアの更に奥底、タルタロスに息子たちを封じ込めてしまったのです。
ウラノスの仕業が許せないガイアは一つの報復を思いつきます。
アダマスという鉱石(多分ダイヤ)で大きな鎌を作り、光の世界にいる子供たちに呼びかけました。
「私とウラノスから生まれた子供たち、あなた達が手伝ってくれたら彼の悪い仕打ちに報復できるのです。」
母神の話を聞いても父神を恐れる子神たちは立ち上がろうとしませんでした。
ですが、唯一ウラノスに憎まれ中の末っ子クロノスだけが勇気を出してガイアに答えました。
「母上の願いはこの私が遂げてみせましょう。先に酷いことをしたのは父と呼びたくもない、あの男なのですから。」
ガイアはとても喜んでクロノスを呼びつけ、アダマスの大鎌を渡して復讐の段取りを教えました。
その日、ウラノスは夜を伴って妻であるガイアの元にやってきました。
彼は交わりを求めてガイアの隣に覆いかぶさりました。
その時、側に待ち伏せていたクロノスは右手に大鎌、左手に父のナニを掴んで刈り取りました。(ここ農耕神)
クロノスは刈り取った父のナニを後ろに投げると、当然ナニは飛んでいきました。
その際に滴ったウラノスの血はガイアがすべて受け止めました。
こうしてクロノスの協力によってガイアの報復は果たされ、ナニを失ったウラノスは失脚しました。
月日が経ち、ウラノスの血痕で身ごもったガイアは〝復讐の女神・エリニュス〟たちと〝巨人・ギガス〟たち、〝トネリコの女精・メリアス〟たちを生みました。(それぞれ何柱生まれたのか判らない) クロノスの手を離れて飛んでいったウラノスのナニも海で長いあいだ漂っていました。
やがてその周囲から泡が湧き出してきて、一人の乙女が生まれました。
乙女は風に運ばれ二つの島に降り立つのですが、そこからは柔らかい草が生え出しました。
この乙女が後にいくつもの名(キュテレイア・キュプロゲネス・ピロンメイデス)を持つ事になる、
彼女には同じ美の神であるエロスが従うことになります。(後に欲望の神・ヒメロスも?) アプロディテには生まれながらに運命とも呼べる特権が与えられており、
それは人間だけでなく神々の恋愛と情欲までを掻き立てる力でした。
父神ウラノスは古の神々であるこれらの子供たちを、罵りを込めて
〝ティターンども〟と呼び、報復の訪れを予言しました。 (ティタイノ=手を伸ばすの意、向こう見ずに大それた所業(報復?)を行ったことから)
ニュクスの子
争いの子
夜の女神から生まれた憎らしげな女神エリス……彼女も母神と同様に、つぎつぎと神を生み始めます。
それもエリスの肩書きに相応しく破滅に満ちた子供たち。
最後に誓いの神・ホルコスを生みましたが、この神様は特に人間を苦しめる偽りの誓いのこと…… 海の子
ウラノスが失脚したあと、大地・ガイアは大海・ポントスと夫婦になります。
そして新たな神、4兄妹を生みました。
長男は誠実なる海・ネレウス。この神はとても優しく、正しい宣告を忘れず、思慮を弁えていたため、人々は彼に敬意を込めて〝老人と〟呼びました。 ネレウスの子
誉れ高いネレウスは妻を娶ります。
同じ海神であり、異父兄でもあるオケアノスの娘、豊かな髪が自慢のドリスです。 二人が交わると50人とも言われる海の女神、ネレイデスたちが生まれました。 プロト・エウクランテ、サオ、アンピトリテ、エウドラ、テティス、ガレネ、グラウケ、キュモトエ、俊足・スペイオ、愛らしいタリア、パシテア、エラト、薔薇色の腕・エウニケ、気品あふれるメリテ、エウリメネ、アガウエ、ドトにプロト、ペルゥサ、デュナメネ、ネサイエ、アクタイエ、プロトメディア、ドリス、パノペ、美貌のガラテイア、これまた愛らしいヒッポトエ、薔薇色の腕・ヒッポノエ、果てしない海原の波風をやすやすと鎮めるキュモドケ、キュマトレゲ、足首優しいアンピトリテ、キュモ、エイオネ、美しい花冠のハリメデ、微笑のグラウコノメ、ポントポレイア、レイアゴレ、エウアゴレ、ラオメデイア、プリュノエ、アウトノエ、リュシアナッサ、非の打ちどころ無き美貌のエウアルネ、優しい姿のプサマテ、清らかなメニッペ、ネソ、エウポンペ、テミスト、プロノエ、不死父の心・メルテス。
みな手先の器用な女神です。
タマウスの子
彼女たちは風の翼で天を駆け、鳥たちと肩を並べるのです。
ケトとポルキュスの子
さて、ネレウスとタマウスにとって弟妹であるポルキュスとケトは夫婦になりました。
そして見事な衣のペンブレド、サフラン色の衣をまとったエニュオという姉妹を生むのですが、神も人も彼女たちのことはグライア(老女)と呼ぶようになります。 何故なら生まれつき髪が灰色だったからです。
ケトとポルキュスからは、ゴルゴンと呼ばれる3姉妹も生まれます。 彼女たちがいるのは夜との境になる地の果てです。
そして同じ地に住んでいる下級女神・ヘスペリスたちとはご近所です。
この神の子ら、つまり不死であるはずのゴルゴン3姉妹のうち、メドゥサだけには死が宿命づけられていました。
メデュサは波乱万丈でした。
春の花の間でメデュサは黒髪のポセイドンに共寝され、愛人にされてしまいました。
その後、彼女が大洋の泉にいたところ、ある島の王様からメドゥサ退治の命を受けたペルセウスに首を刎ねられて死んでしまうのです、理不尽。
しかし切られたところよりポセイドンとの子として大いなるクリュサオルと、翼を持った馬ペガソスが生まれました。 生まれたばかりのペガソスですがそこはさすがで、大地を蹴って空を飛びました。
目指すは天空の神々のもと。彼はゼウスの館に住み、雷鳴と雷光を持ち運ぶ役目を与えられたのでした。
一方クリュサオルも生まれながらにして黄金の剣を持っていました。
このゲリュオネウス、大洋の西の果ての孤島・エリュテイアに住んでいたのですが。
ゼウスの子でありペルセウスの子孫であるヘラクレスにこれまた退治されてしまうのです(;;)。 これこそが、全部で12あるヘラクレスの10番目の難業。
ゲリュオネウスは牧犬オルトスを従えた牛飼いで、額の広い(立派なこと?)牛たちと幻のような牧場で暮らしていました。
そこにヘラクレスが。ミュケナイ王に彼の牛の群れを奪って来いと無茶振りされてきました。
無慈悲にもオルトスを撲殺、ゲリュオネウスは矢で射殺、ナンギョウは達成。
驚くなかれ、仲良く屠られたオルトスはゲリュオネウスの甥でした……
ゲリュオネウスの他に母神カリロエは洞穴で頑固な心を持つエキドナを生んでいました。 ところがエキドナは人にも神にも似ていません。
上半身は女精で下半身は大蛇、体に班があり生肉を食べる巨大で恐ろしい不死の怪物でした。
そこで神々は洞穴のさらに下深く、神々や人から遠く離れた住処と地下のアリモイ人を見張る役割をエキドナに与えました。
先述の通り彼女は頑なな心の持ち主でしたが煌めく瞳に惹かれたのか、乱暴で無法者のテュポエウスという夫ができました。 この二人が交わったところ、ユニークな子供たちが生まれました。
先に出たオルトスを長男として、50の首を持ち青銅の声で死者を震えあがらせる残忍で凶暴な冥府の番犬ケルベロス、後にアルゴリスのレルナでヘラに育てられるヒュドラ。 嫉妬深いヘラはゼウスと愛人の子ヘラクレスを恨んでのことでしたが、ケルベロスは12番目、ヒュドラは2番目の難業としてヘラクレスに討ち取られてしまいます。(難業の2番目は従者イオラウスのサポートを得たので王様に難癖付けられちゃう)
ヒュドラは火を吐くキマイラを生んでいましたが、これがまた世界にひとつだけの女怪物でした。(女だったのか) すさまじくもえさかる炎を吐く3つ首の、前に目つき鋭い獅子、真ん中に牝山羊、後ろに猛々しい竜蛇の頭。
体躯は巨大で迅脚、剛力でもあったので手が付けられない、というわけです。
しかし怪物は退治される運命……かのペガソスと気高いベレロポンテスに討ち取られてしまいます。 ところが怪物連鎖は続きます!
このキマイラもかの牧犬オルトスとの間にピックスとネメアの獅子という子供を生んでいました。 ピックスはテバイ人の破滅の原因になりました。
この獅子はヘラに育てられ(またかよw)、コリンティアにあるネメアの谷で人間を食い殺していました。
人間の厄災としてネメアの東南の山トレトスと東北の山アペサスを支配していましたが、ヘラクレスという英雄の1番目の難業として討ち取られてしまいます。(すっとぼけ)
さて、ポルキュス・ケト夫婦は最後に恐ろしい蛇を生みました。
この怪物は暗い大地の奥に住み、黄金の林檎の見張をしているのです……
オケアノスとテティスの子
ネイロス、アルペイオス、深渦のエリダノス、ストリュモン、マイアンドロス、流れ美しいイストロス、パシス、レソス、白銀のアケロオス、ネソス、ロディオス、ハリアクモン、ヘプタポロス、グレニコス、アイセポス、聖なるシモエイス、ペネイオス、ヘルモス、清流カイコス、大いなるサンガリオス、ラドン、パルテニオス、エウエノス、アルデスコス、清いスカマンドロスたち。
また、大洋の乙女たち・クウレと呼ばれている湖や泉の女神たち。
オケアノスとテティスの生んだ神々はゼウスから与えられた水恵の力でアポロン神や若者を育てたのです。
すなわちペイト、アドメテ、イアンテ、エレクトラ、ドリス、プリュムノ、ウラニア、ヒッポ、クリュメネ、ロデイア、カリロエ、ゼウクソ、クリュティア、イデュイア、パシトエ、プレクサウラ、ガラクサウラ、愛らしいディオネ、メロポシス、トエ、美貌のポリュドラ、優しげなケルケイス、牡牛の目を持つプルゥト、ペルセイス、イアネイラ、アカステ、クサンテ、美しいペトライエ、メネスト、エウロペ、メティス、エウリュノメ、サフラン色の衣を纏うテレスト、クリュセイス、アシア、艶やかなカリュプソ、エウドラ、テュケ、アンピロ、オキュロエたち。そしてステュクスはこの中で最も畏い。
テティスの生んだ娘たちは3000人、人間が一生かけてもテティスの息子娘たちを語り尽くすことはできないでしょう。
それでも川のほとりに住む人であれば身近な神々の名は知っている。
テイアとヒュペリオンの子
女神・エオスは地上に住む全ての生き物と、天上の神々に光をもたらしました。
クレイオスとエウリュピアの子
ペルセスは思慮分別にかけて全てのものから抜きんでていました。
光明神の娘エオス(曙)はアストライオスとの間に晴天をもたらすゼピュロス(西風)、迅速のボレアス(北風)、ノトス(南風)を生んだ。 ステュクスとその子
彼らはゼウスの元を離れる事はありません、雷神が彼らを使わない限りは。
これはステュクスの計らいによるものです。
ゼウスは兄姉を助け出した後、全ての神々を集めて宣言しました。
〝神々の誰であっても自分と共にティタンと戦ってくれるなら、その神の持ついかなる特権も奪いはしないであろう。
その神の持っていた特権はそれぞれ保持される。また、これまでクロノスに特権・権能を奪い取られた者たちはそれらを回復させるだろう、それが正当な仕方であるから〟
これを聞いたステュクスはパラスの勧めもあって、子供たちを連れオリュンポスに一番に馳せ参じました。
ゼウスはステュクスを褒め讃え、またこの行いをした彼女を神々の大いなる誓いと定めました。
こういうわけで子供たちはとこしえに、ゼウスの元に住むことになりました。
ゼウスはこの約束を実行なさったが、威勢を振るい支配をすることにもなりました。
ポイベとコイオスの子
ウラノスとガイアの子供である女神ポイベと男神コイオスは夫婦になります。 そして生まれたのは黒衣を纏ったレト。この女神は神々と人々に分け隔てなく、いつも穏やかで優しいのです。 彼女は元々大人しく、オリュンポスの全ての神々の中で最も柔和です。
アステリアはクレイオスの息子、ペルセスに気に入られ妻に迎えられます。 ゼウスはヘカテに、他の者たちより抜きんでた栄誉を与えます。
ヘカテ頒
またヘカテには星々の散り乱れる天にも特権を与えられ、神々の中でも特に敬われています。
地上に暮らす人々の誰かが、慣習に則り供物を捧げ祈る際はいつでもヘカテに呼びかけるのが習いなのです。女神がその祈りを好意的に聞いて下さったなら、その人には大きな御利益がやってきます。
ヘカテの宿す神威によって福運が授けられるのです。
このように一人娘だからといって、僅かな特権しか持たないどころか、大地にも天にも海にも、権能を持っています。
ゼウスがそのように栄誉を与えたのですから。
女神も御心に叶う者にはおおいに援助して恵みを与えます。
そして裁判のさいには、畏い貴族たちの傍らに坐しています。
集会場でも衆に抜きんでて目立っている者は女神の御心に叶っているのです。
人を滅ぼす戦のために身支度する男にも、御心に叶う者がいれば女神は進んで勝利をもたらします。
騎手にとっても、競技者にも同じように。見事な賞品や誉れを持ち帰らせ、両親を喜ばせます。
彼女は灰色に荒れる海でも生計の業に富んでいて、彼女とポセイドンに祈りを捧げるものに大きな獲物を授けたり、気の向くまま獲物を奪ったりもします。
ヘルメスと一緒に、農場の家畜を殖やすのにも御力を発揮されます。
牛、山羊の僅かなものから増やしもするし、多過ぎれば減らしもします。
母のただ一人の娘であっても、多くの権能を持ち敬われるのです。
さらにゼウスは後に、彼女を子供らの養育者にもさせたのです。
クロノスとレアの子
そして神々と人間どもの父になる賢いゼウス、彼の扱う雷が轟くと広い大地をも震えるのです。 クロノス瞞着とゼウスの誕生
ところが大いなるクロノスは、レイアからこれらの子供たちが生まれ落ちるなり次々と呑み込んでしまわれました。
自分以外のウラヌスの血を継ぐ誰かに王者の特権を奪われる事がないように。 クロノスはガイアとウラノスから〝自分の息子によって、いつの日か打倒される〟という定めを伝えられていたのです。彼自身がどんなに強大であろうと、賢きゼウスの意図によって。
ですからクロノスは警戒を怠りませんでした。
産むたびに子供を呑み込まれたレイアはとても悲しみました。
ですがレイアはゼウスを生む時に愛しい両親、ガイアとウラノスに知恵を授けてくれるよう懇願しました。どうしたらクロノスに知られず愛しい子供が産めるでしょうか、と。
またどうしたら自分の父であるウラノスの恨みと、クロノスが呑み込んだ子供たちの怨みを晴らせるができるでしょうか、と。
ガイアとウラノスはレイアの願いを快く聴き受けました。
レイアにはウラノスのこれからの定めを教え、クレタの豊穣の地リュクトスに送りました。 そこで末子のゼウスは生まれ、ガイアが孫を受け取られました。
短い夜の間にゼウスをアイガイオンの山中にある洞窟に匿いました。
次にガイアは大石に産衣を着けてゼウスの身代わりとしてクロノスに与えました。
クロノスは疑いもせずそれを手でつかんで呑み込みました。
大石が腹に収まっている間、ゼウスは何事にも煩わされずすくすくと育ちました。
さて、神々のひと歳が巡ってガイアの思慮深い示唆に欺かれたクロノスが、ゼウスの策略の力によって我が子達を吐き出しました。
その一番初めに吐き出したのが産衣を着けた大石でした。
この石はゼウスによってパルナッソスの谷間、聖いピュトの大地の下に安置されました。
ゼウスの智力・威力のしるしを後世に伝えるため、死すべき身の人間達にとっての不思議としても。
こうして末子ゼウスはウラノスによって縛められていたクロノスの兄弟達とゼウス自身の兄弟達を恐るべき束縛から解放しました。
解放された彼らは感謝の気持ちとしてゼウスに雷を与えました。
今まで、その力はガイアが匿していたのです。
ゼウスは強大な雷の力を頼りに、死すべき人々と不死の神々の上に君臨しました。
イアペトスの子
このエピメテウスは穀物を食す人間たちにとって禍因になります。
というのもゼウスが創った乙女を最初に受け取ったのが彼だったから。
そして傲慢なメイノティオスはゼウスの燃えさかる雷電に撃ち落され、エレボス(幽冥)へと送り込まれました。傲岸不遜と慢心は度を越えていたのです。
また疲れ知らずのアトラスもゼウスにより、地の果てヘスペリスたちの地で天を支える役目を与えられました。
ゼウスは策に長けるプロメテウスを縛りつけました。手足につけられた枷は太い柱の真ん中に打ち込まれました。その上で毎夜、翼長い鷲をけしかけられました。
鷲はプロメテウスの肝臓を毎日喰らっていきますが、それは不滅なので次の夜には生え出すのです。
しかしその鷲をゼウスとアルクメネの雄々しい息子ヘラクレスが退治して、プロメテウスを酷い苦痛と苦悶から救いました。もっともこれはゼウスの意向に悖ってはいませんでした。
テバイ生まれのヘラクレスの誉が大地の上で以前にも増すのがゼウスの意向だったからです。
ゼウスは立腹てはいましたがヘラクレスを賛え、プロメテウスへの怒りも鎮められました。
プロメテウスの智略はゼウスに劣らないものでした。
メコネで、神々と死すべき身の人間達が諍いをしていたとき、プロメテウスはゼウスを欺くために大きな牡牛を切り裂いてその前に置きました。
ゼウスの前には肉と脂に富んだ臓物を胃袋で包んだものを。
人間どもの前には牡牛の白い骨を巧みに按配して艶々しい脂肪に包んだものを。
するとゼウスがプロメテウスに言いました。
「イアペトスの子よ、なんと不公平な頒け方をしたものか」
策に長けたプロメテウスは穏やかな微笑みをして答えました。
「神々の中でも比類なき偉大で輝かしいゼウスよ、御心が命じられる方をお取り下さい」
不滅の智を持つゼウスはことの次第を察知して骨を包んだ脂肪を取り上げ、中の骨を見て立腹しました。この時から人間どもは祭壇で神々のために白い骨を燃やすようになりました。
更に怒りの収まらないゼウスはプロメテウスにこう言いました。
「抜きんでて賢いイアペトスの子よ、お前はまだにその小賢しさを忘れていないのだな」
こうしてゼウスは人間どもに火を分け与えることもやめてしまいました。
ですが勇ましくもあるプロメテウスは、ゼウスの裏をかいて火を盗み中空の大茴香の茎に隠して人間に与えました。人間の土地で遠目でも輝く火を見られたゼウスは更に怒りました。
女の誕生
ゼウスはすぐに火の代償としてヘパイストスに命じて土から禍いを創られました。
禍は花のような乙女の姿をしていて、アテナに帯をつけてもらい、白銀色のアテナの衣裳を纏わせました。 頭には見事な造りのヴェール、牧草の花の瑞々しく愛らしい冠をかけました。
ヘパイストスも優美でありながら数多の不思議で恐るべき生き物が掘り込まれた黄金の冠を作って与えました。
こうしてゼウスは善きもの(火)の代わりとして美しい禍悪(女)を、神々と人間どものところに連れていかれました。
この手に負えぬものを見て人間たちも神々も驚嘆しました。
彼女から人を破滅さる女たちの種族が生まれたからです。
男たちと一緒に暮らそうにも貧乏の連れ合いにはならず裕福とだけ連れ合い、他人の稼ぎを自分達の胃袋のなかに取り込むのです。
しかし女の厄介事を避けて結婚しようとしない者は、世話してくれる者もないままに悲惨な老年に到るのです。この者は生計にはことかかないで暮らすけれど、死ねば彼の財産はすっかり縁の遠い親類たちに獲られてしまいます。
結婚という運命を引き当てて意にかなった妻を娶る者には盛りの時期以降、争うことになっている。
雄蜂のように始末に負えぬ妻女をもつ者になったら、癒しようのない禍として胸の内にとめどない悲しみを抱いたまま暮らす事になります。
このようにゼウスの御心を騙したり出す抜くことはできません。
智略に長けた心優しいプロメテウスでさえその後縛められ、ゼウスの怒りをまぬかれはしなかったのだから。
ティタン族との戦い
神々の最初の父・ウラノスはヘカトンケイルの三人、ブリアレオス、コットス、ギュゲスの無類の胆力と容貌体躯を妬み、強い縄目で彼らを縛って地下に封じました。彼らは地下の果てで長い間苦しみと悲嘆にあえいでいました。 しかし彼らをクロノスの子供たちが地上に解放しました、ガイアの願いを叶えたのです。
彼らを味方につければ勝利と栄光を得ることができるから、とガイアは説いていました。
その頃、神々はテッサリアの南・オトリュス山にティタンが、オリュンポス山にクロノスの子供達が陣を敷いて戦っていました。苛烈な闘いは休みなく十年続き、終わる気配がない拮抗状態でした。
そこでゼウスは解放したヘカトンケイル達にネクタル(神酒)とアンブロシア(神食)を与えて言いました。
「大地と天の栄えある息子たちに命じる、ティタンにその強大な力を見せるのだ。くれぐれも自分達が光のもとに戻れたことと私の好意を忘れてはならない」
コットスはすぐに答えました。
「もちろんです、あなたは私達を闇と戒めから解放して下さいました。今すぐにでもあなたの力になることを惜しみません。
ティタンどもと激しい戦いのうちに雌雄を決するまで」
その日のうちにすべてのティタンとすべてのオリュンポスの神々、ヘカトンケイル達が対峙しました。
ヘカトンケイルは百の腕と五十の首を持っていて、戦えば百人力です。
これらの逞しい手で山々から岩を掴んでは投げました。
ティタンも隊列を組んで懸命に応戦します。
海はうなり大地は轟き響き天は揺さぶられ世界が呻き鳴くほどの激しさでした。
この戦いでおきる岩や矢が飛び交う様々な物音と、オリュンポス山が根元からぐらぐら激しく揺れる振動は深い地の底、タルタロスにまでとどきました。
両軍は激しいぶつかり合い、巨大な雄叫びから喚声、鬨の声までも星天にとどきました。
ゼウスも激怒し、そうなると力を抑えることができませんでした。
雷鳴と雷光をともなって雷電はしきりに、休みなく浴びせられました。
森林はもの凄い悲鳴をあげて大地が煮えたち、様々な海も沸き上がって蒸気がのぼるほど。
雷光に眼がくらんだ地上のティタンを追い詰め、火炎が上天に立ち上るほどに。
火炎が裂け目・カオスを掴み、大地と天が衝突したかのような物音がおきました。
大地が投げ倒され、そこに天が上空から落ち被さるような。
それほど凄まじい激戦の音でした。
また風も地を揺らし砂嵐を起こしました。
大いなるゼウスが戦場の真ん中に燃えさかる雷光をもたらしその果敢な戦いの数々を示された時、戦の勝敗の天秤は傾きました。その瞬間が訪れるまで、両軍たゆまず果てしない戦いを続けたのです。
コットス、ブリアレオス、戦いに飽くことを知らないギュゲスは、第一線のティタンの神々に三百の岩を間髪入れず投げつけて被い尽くし、自分達がそうであったように強い縄で縛め地下の果てに封じました。
タルタロスとその住人たち
大地からタルタロスはとても離れています。
青銅の金床が天から九日九夜も落ち続けて十日目でやっと大地に届くのだから。
(大地からタルタロスまでは同じほど隔たっているのだ)
つまり青銅の金床が大地から九日九夜も落ち続けて十日目にやっとタルタロスに届くだろうから。
タルタロスには青銅の牆が巡っていて、夜が三重をなしその喉元のあたりに吹き流されている。 ゼウスのご意向によって、この陰湿な暗闇の大地の果てにティタンの神々は隠されました。
彼らはここから出ていくことはできません。
ポセイドンも彼らの上に青銅の門を設けており、両脇には牆がめぐっているからです。
更にギュゲス、コットス、肝の太いブリアレオスがゼウスの忠実な見張りとして棲んでいます。
ここには不毛の海と星散らばる天の源泉と終端が順序よく並んでいるのです。
この様子は神々でさえ怖気振るわれるほどです。
一度門に入ったら丸々一年かかってもその底には着けないでしょう。
凄まじい嵐から嵐へとその者は運ばれてしまうでしょうから。
暗いニュクスの恐ろしい館の前にはイアペトスの息子・アトラスが頭と疲れ知らぬ両の手で、立ったままの不動の姿勢で広い天をしっかりと支えています。 そこでニュクスとヘメレが近付いてきて、互いに挨拶を交わすのです。 大きな青銅の敷居を跨ぎ越すときには一方が館に入る時、他方が戸口から出てきます。
その館は二人を一緒には留めておきはしません。
館から出た方が大地の上を巡る間、片方が館の中で次の旅立ちを待って留守番します。
一方は地上に暮らす者どもに数多を携える光を携えて行かれますが、他方の破滅は雲に身を包んで眠り(ヒュプノス)と死(タナトス)の兄弟を手に抱えて行かれます。 ですからその館には夜の子供達、つまりこの兄弟も住んでいるのです。
しかしヘメレは、天に昇る時も降りる時も彼らを照らし見ようとはされません。
兄弟の一方、眠りは穏やかで人間どもに優しいのですが、死の心臓は鉄でできていて情を知らぬ青銅の心を持ちます。
死はひとたび掴まえたが最後、その者を決して放しはしません。
不死の神々にとってもこの神は忌まわしいのです。
そしてこの館のもっと向こうには、地下を司る神の夫婦の館が建っています。
館の前には恐るべき犬(ケルベロス)が番をしています。 残忍で忌まわしい賢さを持っていて、館に入ろうという者には両の耳と尾で甘えますが、二度とふたたび出ていくことを許しません。門から出て行こうとする者を見つけたら捕まえて容赦なく貪り食います。
またそこには神々に忌まれる恐るべき女神・ステュクスも、神々から遠く離れた、大きな巌を葺いた館に住んでいます。
館の周りには白銀の柱がめぐっていて、天にそびえています。
脚の迅い虹(イリス)でさえ海原の広い背を渡ってステュクスのもとには滅多にやってくることはできません。 ですが神々の間で争いや諍いが起こるときや、オリュンポスの神々の誰かが嘘をつかれるときにはゼウスは虹を送られます。
神々の大いなる誓いのため、その御名を負うかの水を黄金の水差しに汲んで持ち帰らせるのです。
この高く嶮しい巌から滴り落ちる冷たい水は、白銀の渦を巻いた大洋(オケアノス)の九つある支流の一つで、大地と海の広い背をうねって暗い夜をぬった聖なる河の流れです。
しかしこの支流は、神々にとっての大きな厄災。
オリュンポスの峰に住む不死の神々の中で灌奠(儀式に際して葡萄酒や油などを大地や生贄に注ぐ)しながら偽りの誓いを立てる者はみな、息も声も無くまる一年が巡るまで横たわってしまいます。 掛布の整った寝床に横たえられて、昏睡が神を覆いつくします。
ですがそれで終わりではなく、一年かけて眠りから冷めた後にはもっと酷い難業が控えています。
その後九年のあいだ、この神は他の神々から遠ざけられて会議にも宴にも連なることができません。
つまり、まる十年経ってようやくオリュンポスの神々に集うことができるのです。
誓いを誓いとするために神々はステュクスの太古の水をそのように定めたのでした。
嶮しい岩場を通って流れ落ちるこの水と、陰鬱な大地とタルタロス、不毛の海と星々の散り乱れる天、すべてのものの源泉と終端が順序よく並んでいる忌まわしいこれらのものに神々が怖気を振るわれる理由。
不動のまま輝く門と青銅造りの敷居が、自然に生えている固くどこまでも伸びる根が。
その向こう、カオスの向こう、すべての神々から遠く離れてティタンたちが住み暮らしています。
その中でゼウスの栄えある味方、ヘカトンケイルの三人だけが大洋の土台の上に館を構えています。
テュポエウスとの戦い
ゼウスがティタンの神々を天から追放していたとき、ガイアは最後の子供、テュポエウスを生みました。 アプロディテの導きが、ガイアとタルタロスを引き合わせたのです。 テュポエウスの腕は強力で、脚は疲れ知らず、肩には竜の百の首が黒い舌を出して生えています。竜の両目は炎を閃かせて、その口からは火炎と、あらゆる種類の言葉にしがたい音が出ています。神々の理解出来る声音、猛々しい牡牛の咆哮、またあるときは獅子、獣の子の鳴き声に似たもの。デュポエウスのしくしく泣く声で山々がどよめくほどでした。
神々と人間の父であるゼウスがこの事態をいち早く察知していなかったら、生まれたばかりの末っ子に地位を奪われてしまっていたでしょう。
ですがゼウスが激しく打ち鳴らす雷が、空の広い上天まで、海も大洋の流れも、大地と深淵のタルタロスにまで鳴り響きました。オリュンポスの神々は打ち揺られて、ガイアはうめき声をあげて菫色の海を掴みました。
テュポエウスとオリュンポスの神々からは炎熱と雷鳴と稲妻を伴った烈風が起こり、ふたたびすべての大地と天も海が煮え立ったのです。
海岸一帯を長い波が荒れ狂いました。タルタロスのティタンたちも、冥界を統べるハデスさえ怖れ戦くほど、これらの神々の戦いは涯てしなく激しかったのです。
しかしゼウスは力を奮い起こし雷電を鷲掴みにするや、オリュンポスから躍り出て百の首をことごとく焼き払われました。そして痛撃を受けたテュポエウスが足を曲げてよろめき倒れると、ガイアが呻きの声をあげました。
テュポエウスの体からあがった炎はほの暗い谷から広がり、大地のほとんどは熱気で焼け焦げ、鉄や錫が熱せられてそうなるように溶けてしまいました。あたかもヘパイストスの手によってそうなるように。
そして怒りに燃えていたゼウスは、このテュポエウスもタルタロスに投げ込まれました。
テュポエウスの子
さて、このテュポエウスからは湿り気を帯びた荒々しい風どもが生まれてきました。
ただし人間にとって有益な存在である南風や北風、西風のようなものとは別の類です。
テュポエウスの子らは飄々と、いたずらに海の背を吹きゆくばかり、人間の大きな禍の因となり酷い嵐となって荒れ狂うのです。船を四散させ船員を滅ぼす、この風の災難から逃れる術はまったくないのです。
また彼らが花咲き乱れる地上に吹き渡れば、土埃と騒音で満たして畑のものを台無しにします。
ゼウスの王位継承
労役とも言える戦いを終えた神々、それらは力をもって解決されました。
ガイアの勧めに従って、神々はゼウスに統治するようにと懇願しました。
かくてゼウスは神々の上に君臨し、権能を正しく分かち与えるのです。
ゼウスと女神たちの結婚
さて、神々の王になったゼウスの最初の妻は、並びない賢さをもつメティスでした。 ですが彼女が輝く眼の女神アテナを出産されようとしていたその時、やはり賢いゼウスは策をもって言葉巧みにメティスの心を欺き、母親ごとを呑みこんでしまわれました。 それはガイアとウラノスの勧めでもあったのです。ゼウスに代わって王の権利を得る事があってはならないから、と。
メティスからは並外れて賢い子供らが生まれる定めになっていました。
特に最初の子は父に劣らぬ気性と賢い思慮を備えた輝く眼を持つ娘を、その次は傲慢な心を持った息子。
ですからゼウスは自分の腹に納めてしまったのです、こうすれば妻と子供たちが善きことと悪しきことを助言してくれると期待したのです。
そして彼は二番目の妻、輝かしいテミスを娶りました。 テミスからはホーラー(季節女神)であるエウノミア(秩序)、デイケ(正義)、咲き匂うエイレネ(平和)が生まれましたが、彼女たちは人間たちの仕事に心を配られました。 またモイラ(運命)たちも生まれたのですが、ゼウスは彼女たちに抜群の特権を与えました。 恋多きゼウスは妻とは別に様々な女神と契り、子を生します。
彼女たちの向けた眼差しからは四肢の力を萎えさせるエロスが溢れ出ました。
そしてゼウスと豊穣のデメテルからは、腕白いペルセポネが生まれました。彼女はハデスに攫われてしまうのですが、それはゼウスの計らいでもありました。 髪の美しいムネモシュネと臥所をともにすれば、黄金の冠をつけた九人の詩歌女神(ムウサ)が生まれました。 彼女たちは宴と詩歌を愛します。
そしてゼウスが最後の妻として娶ったのはヘラでした。 その後にゼウスの頭からは輝く眼のアテナが生まれました。彼女は賢いだけでなく疲れを知らず、女王でもあります。喚声、戦い、闘争を楽しむ面もあり、鬨の声を起こさせ軍勢を導きます。 ゼウスと仲違いしている間に、ヘラも自らの力でヘパイストスを生みました。彼は天の末裔の神々のなかでも技にかけては抜きんでていました。 ポセイドンの子
そして生まれたのが広きを治めるトリトンです、家族は黄金造りの館に住んでいます。 アレスとアプロディテの子
彼らは兵士らの密集隊列を混乱に陥れます。
またハルモニアも生まれましたが、彼女はフェニキアの血気盛んなカドモスの妻となりました。 神々の結婚雑編
ゼウスの愛人、庶子は他にもいます。
彼女は人から神を生みました、今では彼女も神の身におわします。
ヘパイストスはカリスたちのなかで一番年若いアグライアを妻に迎えました。 黄金の神をもつディオニュソスはミノス王の娘、亜麻色髪のアリアドネを娶りました。 そのためにゼウスはアリアドネを不死にしました。
アルクメネの息子、ヘラクレスは難業を終えた後不老となり、ゼウスとヘラの娘ヘベを妻にしました。 そのアイエテスは神々の勧めによってオケアノスの娘、イデュイアを娶りました。 アプロディテの恵みを受けてイデュイアからは足首優しいメデイアが生まれました。 新序詞
ではごきげんよう、オリュンポスの方々よ
さあ今度は女神たちの族を歌いまつろう
アイギス持つゼウスの娘、オリュンポスの声甘いムウサたちよ。
不死の身ながら死すべき身の人間に添寝して
神にも似た子供たちを生みたもうた、すべての女神たちを。
女神と男の結婚
女神の中の女神、デメテルは英雄イアシオンと甘い情愛の契りをして、豊穣の地クレタの三度鋤き返した畝地で、霊験あらたかなプルゥトスを生みました。 人間がこの神と出会い、その者の手のなかにこの神が入れられば、この神は人を富ませ大きな繁栄を授けられる。
オケアノスの娘カリロエは剛胆な肝をもったクリュサオルとアプロディテの愛の契りをして、人間の中でも力強さで比肩なきゲリュオネウスを生みましたが、エリュテイアの地でやはり力強いヘラクレスに、牛どものために倒されてしまいます。 またケパロスには神にも似た力強いパエトンを生みました。 考えも幼い少年のパエトンは輝かしい青春の花の時季に女神アプロディテに攫われ、彼女の神殿の精霊にされました。
アイソンの息子イアソンは、神々の勧めでアイエイテスの娘メデイアを連れ出しました。 それは傲慢で無謀、暴威を欲しいままにする尊大な王ペリアスの課した数々の難題を果たし終えてからの事。 脚迅い船に彼女を乗せて、粒粒辛苦の末イオルコスに着いたのち妻にしました。
彼女は民の羊飼いイアソンの情に応えて息子メデイオスを生みましたが、彼はピリュラの子ケイロンに山の中で育てられました。これはゼウスの意志でした。 さて、キルケから生まれた彼らは、はるか遠くの清い島々の奥地で栄えある全てのテュルセノス人を治めました。
新序詞
不死身の身を持ちながら死すべき人間の男らに添寝して、神に似た子供を生んだ方々は以上のとおり。
さあ今度は女たちの族を歌いまつろう
アイギス持つゼウスの娘、オリュンポスの声甘いムウサたちよ。
<完>
こひつ.icon神様多過ぎ問題……(疲)
韻を踏んでいるのか途中に褒めどころがあって面白い。
設定のない神様は異国の神が由来なのだろうか。
見た目って大事なんだな……退治コワイ
ヘカテはヘシオドスの地元だったボイオティアで厚く信仰されてたので破格の扱い。
テーバイもボイオティアにある。
ガイアの不条理文学てきな…?ハデス自身は不参加なのかーい。
当初の終わりは一つ目の新序詞であったと思われる。
つまみ読みしたけど面白すぎる……読んだ人の妄想がふくらみそうな神話。まとめてくだすって感謝イタロー.icon
楽しんでいただけて嬉しい☺️こひつ.icon