記号の構造と論理
一つの記号は他の記号とさまざまな共通項に基づいて範列関係(パラディグム)を作っている。
それに対して記号の結合を統御しているのが連辞(サンタグム)。言語において記号が実現するとは、順序と位置を決めるということ。
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前菜+主品+デザート → サンタグム
A A A ↓ パラディグム
B B B
C
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意味が実現するのは、パラディグム(範列)軸・サンタグム(連辞)軸によって言語記号が結び付けられ「文」が生み出されたとき
文の意味は各単語の単純な足し算ではない。
その文以外から意味を参照してしまう
つまり、文という記号は世界との関係づけのなかにおかれるのです。記号の布置と世界の参照の同時成立、これこそが文という単位の記号活動が果たす機能です。] 91p
文という記号は範列と連辞で成り立っている。それが成立するときはじめて世界と関係するようになる。
主体が発生するのもこのレベルのとき。「私」に関する連辞が決まれば="「私」は「ここ」に「立っている」"、世界との関係が表現されることで記号としての「私」がはじめて成立する。
ディスクール(文以上の記号活動の出来事)が生まれるときはじめて、主体と世界との意味のやりとり・関係づけがはじまる。
クレーの「歌手のホール」という世界の経験(絵の意味≒たとえ)は横軸の連辞(建物の構造・位)と縦軸の範列(装飾・建物の種類)に意味的に分解することで成立のメカニズムを知ることができる
映像編集のタイムラインもこの関係で語れるかもしれない。構成が連辞、演出が範列。
パース
宇宙は記号で充ち満ちている
セミオーシス(無限の記号過程)