肯定側立論の作り方
肯定側立論の基本的な考え方は「世界を変えよう」です。
「いま困っている」「こうやって世界が変わる」「こうかはばつぐんだ」という流れで話していくと審判に伝わりやすいです。
基本的な立論は、「定義」「プラン」「現状分析」「メリットのラベル」「発生過程」「重要性」の5つの部分に分かれています。順番に説明しましょう。
定義
肯定側と否定側で言葉の解釈が変わってしまうと議論が成立しません。
例えばディベートでよく取り上げられる「安楽死」。治療のための薬をやめて苦痛の緩和だけを行う場合も安楽死ということがありますし、致死量の薬物を投与して生命活動を止めることを「安楽死」ということもあります。肯定側と否定側で「安楽死」の意味が違うと話が噛み合いませんね。
そこで、肯定側はいろんな使い方ができそうな用語の意味を定義することができます。普通は「○○とは、××です」という文になります。
ただ、ディベート初心者にはなかなか難しいので、文藻杯ディベート大会ではなるべく主催者が先に問題のありそうな言葉の定義をしておこうと思います。その場合は「定義は大会ルールに従います」でいいです。
プラン
論題をいつどうやって実行するかを具体的に示します。
よくあるパターンは「関連の法律を作る」「○年○月○日から施行する」といったものです。
メリット
ここでやっとメリットの登場です。メリットは、「被害の減少」とか「人口の増加」のように、名詞で終わる短いタイトル的なものがいいです(ラベリングと言います)。
現状分析
「内因性」とも言います。「いま困っている」ことを説明します。証拠資料を活用して、具体的な数値を挙げて説明しましょう。
発生過程
「こうやって世界が変わる」の説明です。「解決性」とも言います。
ここでは証拠資料は使わない方がいいです。問題解決を順番に説明しているときに余計な説明をすると審判が混乱します。補足説明が必要なら現状分析で先に行っておくか重要性で改めて説明するようにしましょう。
重要性
「こうかはばつぐんだ」ということを説明します。プランを実行した結果、「いま困っていること」がどれぐらい解決するのかを、できれば具体的な数値を挙げて説明します。もちろん、現実正解ではまだプランは実行されていないので、「外国ではこうなった」「過去に実施したときはこうだった」という例を挙げることになるでしょう。