Audible版-浅葉なつ著「神様の御用人」感想
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前に,推理小説や探偵小説が好きだった自分が最近めっきり読めなくなったことをごだごだと書いている。
つまりは,残酷な場面,描写がどうも自分には受け入れがたくなっているということなのだと思う。この「残酷」というのはムチで打たれるとか,爪を剥ぎ取られるというような人から受ける残酷だけでなく,どうしようもない自然の残酷性も最近は耐性がなくなっている自分がいる。
そんな中,この本はすんなりと受け入れつつ,物語の内容に惹き込まれた。
主人公は「神様たちの御用を聞いて回る人間──“御用人”」という役になる。しかも,選びに選びぬかれた「御用人」ではなく,消去法で選ばれた御用人。祖父がちょうどその役をやっていたからという形での任命である。普通の人には見えない「神様」が御用人には見えるという設定,そして各神様も個性豊かである。
こんなことを書くと,以前書いた,現実離れしたファンタジーものは読めないし,面白いうと思わないのではないかと突っ込まれそうだ。
でもなんだろうなぁ〜,矛盾の塊だけど(もともと人間は矛盾だらけと思っているのでそれでいいのだけど),無理やり自分の中で理屈で説明すると,こちらは「現在」と接点があるから,もう少し言えば,自分の日常生活と接点があるから受け入れられるのかもしれな。日常生活とつながるファンタジーものなら違和感なく読めるのかな。でも,これは考えてみれば,現実と嘘の世界の見分けがつかなくて,簡単に騙されそうな人になりそうで怖いなぁ……。でも,そんなことないよね。
で,戻ると,
いわゆる「いい話」のオンパレードで,楽しく落ち着いて読める。
文体やトーンも「軽い」感じ。
ラノベっぽい(といいながら,実際はライトノベルを一度も読んだことがない)と思う。わたしの考えるラノベ(っぽさ)ってこんな感じなのだけど,ラノベとこの本どちらも読んだ人にわたしの感覚があっているかどうか教えてほしい。
(ラノベ大好きな息子に聞けばいいのか?)
加えて,わたしの大好きなある特定の世界のウンチクを知ることができる。
この本だと,神様についてのいろいろ(まぁ,ウンチク)である。
ウンチク好きなわたしとしては,ストーリーの中に神様のいろいろを知ることができるのは「へぇ〜〜〜〜」という感じで面白かった。