書誌情報
『独学大全』[読書猿 2020]の索引からたどれる「書誌情報」は、以下に引用する1ヵ所だけ(太字は引用者)。
(a)著者、題名、掲載誌などの書誌情報:それぞれの文献へアクセスできるように
(b)発行年など:年代順にソートするため
(c)文献の(研究)目的:目的として明示されるか、仮説やリサーチ・クエスチョンとして示される[読書猿 2020:558]
しかし「書誌」の関連用語となると、途端に20を超える。
そもそも『独学大全』には、技法24として「書誌」が立項されているので、まずはそちらに目を通すべき。そこで「書誌」の「体裁」について、以下のように書かかれている(太字は引用者による)。
書誌は、その道の玄人が徹底的に行ったものの成果物であり、ある分野やトピックについて探し集めた文献リストや、リストの文献それぞれに解説を付した体裁をとる。[読書猿 2020:427]
なので「書誌」とは何かをつかむためには、まず「文献リスト」のあるコンテンツにアクセスする体験を重ねなければならない。文献リストのあるコンテンツとは、いわゆる「論文」が典型例である。「論文」ほどの緻密さは要求されない「報告」でも、学術雑誌に掲載される際には、土居[2019]のように最低限の文献リストを整える配慮が求められる。また百科事典でも、項目によっては末尾に文献リストが付いている。小説家によっては、巻末に文献リストを付ける人もいる(京極夏彦など)。
ちなみに、指定テキストの南・稲葉[2020]と蟹江[2020]ともに文献リストは付いていない。ただし蟹江の著作では「注」[蟹江 2020:259-261]が巻末にまとめられており、注によっては参照した文献の基礎的な書誌情報が記載されている。
[参照文献]
蟹江憲史 2020『SDGs(持続可能な開発目標)』中央公論新社.
土居浩 2019「「伝統的」葬墓制の近代性について」『生活学論叢』(35): 78-81. DOI: https://doi.org/10.24528/lifology.35.0_78
読書猿 2020『独学大全』ダイヤモンド社.
南博・稲場雅紀 2020『SDGs:危機の時代の羅針盤』岩波書店.
[補記]
※このページでの文献引用表示(=書誌情報の書き方)は、『文化人類学』執筆細則 (2019年12月増補改訂版)に準じた。
※上掲した文献リストのうち[土居 2019]の末尾に付されたDOIについては、ひとまず以下を参照のこと。
DOIはDigital identifierの頭文字であり、様々なコンテンツに登録される、永続的な識別子(PID)の1種で、ISOにより国際的に標準化された規格です(ISO26324:2012)。https://japanlinkcenter.org/top/about_doi.html
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