「目的目標手段」は自分の言葉で語れるようにする
ではそのような、魅力的な目的、具体的な目標、柔軟な手段はどこからもたらされるのでしょうか。黄色で示した3つの項目には右下から青い矢印が伸びてきています。そしてその矢印は「深い学び」から出ている。目的目標手段は、「深い学び」をもたらすために設定されなければならない、ということです。それを考えるのはもちろん、教師です。文部科学省も中央教育審議会も、様々な力のある実践者も、この「深い学び」について考え、発信しています。しかしそれは所詮、“その人達が考えた、深い学び論”でしかありません。国語や算数で教える”明確に正解が定義できる表面的な知識”は、教科書の内容を再生するだけで、相手に伝えられるかもしれませんが、「深い学びとは」といった深く多義的な内容は、決して受け売りでは相手に伝えられることではありません。 それは教師一人ひとりが“自分で”考え、”自分の言葉で”語るべきことではないでしょうか。他者の意見を“材料”に、徹底的に思考し、“学び”についての認識を深めることで「目的目標手段」をより魅力的に、具体的に、柔軟にに設定できるようになると思います。本書の内容はその”材料”の一つとして使っていただければ幸いです。
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