「主体的な学び」はトライアンドエラーの中で育つ
目的目標手段に対する合意形成は、主体的な学びを生むための“準備”です。これがあれば「主体的な学び」が実現するのではありません。
この3点は子どもたちが自分で動き出すための“情報提供”にすぎません。目的をしって「自分もそこに到達してみたい」と思い、目標を示されて「そこなら目指せそう!」と感じ、手段を手渡されて「この方法で今日から頑張ればいいのだな!」とわかれば、”自分で”動き出せる。”動ける状態”になるのですね。
これまでの学習環境ではこれが揃っていないために子どもたちが自分で動けない状況がありました。学習活動における大きく魅力的な「目的」が示されることは稀ですよね。具体的な目標は示されることが多いですが、それを目指すのはなぜか、目指した先に何があるのかが語られることはない。まるで目の前に人参をぶら下げられているようなものです。さらに「手段」も固定化したものが多い。決められたワークシートに、決められた語句を書き込むだけだったり、挙手をして教師との予定調和のやり取りをするだけだったり、ノートのとり方が1行単位で指定されたり、筆算の書き方ばかりが強調されたり。このような硬直化した手段では、子どもたちは「自分で動く」という事はできません。「目的目標」向かうための手段は無限にあるはず。ただし、無限にあるからと行って何も示されないのでは動けない。いかに自分の状態ややりたいことに応じて調節できる「柔軟な手段」を提示できるかが、主体的な学びを生み出すときのポイントなのです。
しかし前述したとおり、これはまだまだ”準備”の段階。主体的な学びの”タネ”が育つ土壌を整えたという段階です。
では実際に動けば何が起こるでしょうか。動いた後に起こるのは「失敗」か「成功」です。
これが子どもたちの主体的な学びを育てるための栄養になります。この仕組は単純なゲームで説明できます。例えば平均台を落ちずに渡りましょう。というゲーム。
この3点を学習者一人ひとりが受け取り、実際にやってみる中で「主体的な学び」は徐々に大きくなっていきます。
(ここまでは「宿題におけるけテぶれ」で実現可能な構造です。ツイッターにも子どもたちが主体的に学び始めたという報告は枚挙に暇がありません。)