プロジェクト思想の発展形
それは「暴力との闘い」である
暴力への抗い、かもしれないけれども
では、暴力とはなにか
いち個人の意思を強制的に否定することである
暴力を受けた人間は、苦しみを得る
暴力なんて、なくなってほしい、と、暴力を受けた人間は、誰だって思う
しかし、暴力は、現実である
この世に資源が有限である限り
そして、すべての人間に、自由意志を担保する限り
そして、生き物の生存原理が「共存」のみならず「共食」でもあり続ける限り
暴力もまた、必要悪として生き続ける
現実的にいって、我々の業務として直面するプロジェクト状況にも、暴力的なことは非常に多い
では、暴力とは、悪なのか
正義もまた、暴力である
暴力を暴走させないために、ルール(契約)があるわけだが、ルールを守らせるためには、破った人間の意思を強制的に封じる必要があり、その根拠には必ず、暴力の影がついてまわるのである
西洋哲学は、啓蒙思想と三権分立によってこの問題を解決しようとしてきたが、正直なところ、近代において日本が受け止めたほどは万能のシステムではなかった
原理的に、絶対的に、勝つことが許されない空間だからだ
あらゆる生き物が、生老病死を免れないように
つまり、そもそも、生きることと暴力は不可分なのである
しかし、単純素朴な実感として、暴力とはあくまで忌むべきものであり、憚るべきものである
こうした矛盾を超克することこそが、人間が哲学を持ち、思想を持つ目的である