第284回例会「性的同意はどこから始まり、どこで終わるのか――欺瞞・性・正義」&「プログラミングにおける『無』の存在論」
開催日:2026年5月9日
発表者
コメント
Syun'iti Honda.icon 「新宿哲学道場の例会としては珍しく、前半と後半で二つの発表がありました。前半の「性的同意はどこから始まり、どこで終わるのか」は、Tilton と Ichikawa の論文「Not What I Agreed To: Content and Consent」を素材として、性的同意違反が疑われる事例を参加者自身が検討していくことで、性倫理学の歴史を追体験する形で概観するというものでした。参加者からは、性行為の同意はそもそも完結した抽象的行為についての契約ではない(それゆえに中断の可能性を持つ)という興味深い指摘がありました。後半の「プログラミングにおける『無』の存在論」では、プログラミング言語の Perl における「未定義値」を表す undef の扱いを検討しました。Perl ではハッシュ値や引数にも undef を指定できますが、そもそもハッシュキーや引数じたいが非存在/未指定かどうかをブール値として返すことで、無限後退を止めているという洞察だったと理解しています。これはクワインの「ペガサスは存在しない」と語ったことによって「ペガサス」が意味対象として現れてしまうことへの、言語実装的な回答になっているとも言えるかもしれません。」
参加者