第266回例会「構成負債論」
深草 周 (Shu Fukakusa) - マイポータル - researchmap
構成負債論・発表原稿
【発表概要】今回は「構成負債論 CLT, Constructive Liability Theory」と題して、会計学における負債概念を分析します。企業などが公表する財務諸表上の数字は単に過去の業績を反映する記録ではなく、特に負債カテゴリにおいては未来のお金を呼び出す〝プログラムコード〟のようなものだという点を指摘することで、俗に企業言語・会計言語とも呼ばれるものはプログラミング言語に近い性質を備えていることを会計理論・存在論・定量分析の観点から論じます
ふかくさ「一年前の負債論(第242回例会「負債とは何か」)について批判を受けて話を組み直し、説教臭さや歴史的なおかしさを消去し、実務や通説とのすり合わせをおこなったつもりだった。しかし今度は哲学的意義や、倫理的恩義と負債カテゴリとの関係性や負債カテゴリ特有の時間性にそもそも抱いていた素朴な疑問を反映できず、別の意味で空振りの発表となってしまった」 ばぶ太郎
プロ奢らレイヤーはCLTを活用したところで自己資本比率100%にならざるをえないのではないのかという疑問が沸いたが、発表後半にてむしろ借金が譲渡(されたこと)と同一に見做しうるという話と繋がったので個人的には良かった。所有とは返さなくていいという信用に支えられている、と言ったら言い過ぎだろうか。
Syun'iti Honda.icon 「引当金や確定債務といった会計言語における負債概念は、単なる記述的な支払義務(いわゆる借金)ではなく、制度的・社会的なネットワークの中で構成されるものであるというのが「構成負債論」の概要だと理解しています。これを負債の実効度を表すΦといった指標やそれを算出するグラフ構造によってモデル化し、その計算機プログラムによる実装可能性についても論じられていました。「負債とは何か?」という問いを基軸に、モデルを2層に分けることの哲学的意義についても論じられており、モデルの評価やその実装可能性などを含めて、多面的な価値を持つ発表だったと思います。ただし、その多面性ゆえに意義全体を一度に把握するのは容易ではないと感じました。」
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"Records Make Obligatios Real." 計上は義務を実在化させる
【5月3日(土)西新宿】哲学道場「構成負債論」【第266回】 - TwiPla