純粋現象学
現象学という言葉自体はフッサール以前から使われている広義の活動であり、フッサール内でも何度か変遷を遂げるため、ここでは特に中心的な部分のみ説明する
具体的な対象を体験して抽出する他、対象を想像したり、他者と対象について会話する内に形成される
エトムント・フッサールによれば自然科学や数学のような諸学問は超越を前提としているにもかかわらずそれを忘れており、直接経験という最も基礎のレイヤーに関する学問を打ち立て体系化しなければならないと説いた これは心理主義による数学の扱いへの批判意識があった
元々フッサールは数学で学位を取得しており、その後ブレンターノの影響で数学の哲学に専攻を変えたのだが、この時流行っていた心理主義に関する自身の著作が批判され、それを受け入れる 心理主義によれば数学さえも人間に元々備わった機能によって解釈できるものであり、人間無しに成立する普遍的な論理ではないとする しかし、やはり数学は人間以外にも扱える普遍的な論理を扱っているように見える
批判を受け、フッサールは「人間は経験から如何に普遍的な観念に到達するのか」という疑問に答えうる、体系的な学問、すべての学問と基礎付けとなる学問がないことに気付く
我々の「主観性」がなぜ「客観性」になりうるか
これが純粋現象学へと至るフッサールの最初の問題意識である
前述の問題意識によって諸学問の基礎学を目指す現象学は、その定義からして上位レイヤーの成果を理論の根拠にしてはならない
それをすると循環参照が生じてしまう
直接経験のみを究極的な根拠として理論を構築する