フーリエ変換とラプラス変換
「数学2B」
7.フーリエ級数
関数空間で基底変換をを行い、微分方程式を解きやすくする。
cf.線形代数では有限次元ベクトル空間で基底変換を行い、対角化や線形方程式を解いた
関数空間での基底
正規直交系をなす関数の集合
例として、sin、cos、ベッセル関数、エルミート関数
一般の関数正規直交基底で展開
特に線型偏微分方程式が解きやすくなるというメリットがある
というのも、nごとに独立になるので
Cnの部分空間で関数の振る舞いを見て、F(x)に戻して解を構成
固有値問題的な感じである
・フーリエ展開
・複素フーリエ級数展開
F(z)のz=0の周りのローラン展開(?)
直交性は簡単に示せる
フーリエ展開がもし可能であれば、展開係数も簡単に求まる
完全性は、無限和をとって構成したフーリエ級数が本当にf(x)を再現できているかという疑問
関数を考えていくと、これも分かる
周期2πの区分的に滑らかな周期関数はフーリエ級数展開可能で、展開係数も表せる
それが部分区間の内側の点に対して成り立つ
無限次元なので、たまにおかしくなるときがあり、それは無限次元の線形代数を参考に
・パーセバルの関係式
|f(x)|^2と|cn|^2は基底によらないというもの
8.フーリエ級数の応用
・実フーリエ級数展開
f(x)が実関数のとき、anとbnを使って簡単に表せる
また、偶関数や奇関数により、フーリエ余弦級数などもある
フーリエ級数の不連続点での値はどうなっているのか?
→一般に不連続点でのフーリエ級数の値は両側の極限の平均値で与えられる(ディレクレの定理)
パーセバルの関係式からゼータ関数の値などがわかったりする
区間を(-L,L)へ拡張するのは簡単である
ここで、L→∞とするとどうなるか?
→フーリエ変換になりそう
フーリエ変換でよく使う変数の組みとして、
座標と運動量(波数)や時間と周波数がある
9.フーリエ変換
収束性について
フーリエ変換をして、フーリエ逆変換をすると元の関数に戻るか?
以前フーリエ級数展開の完全性を見たときにδ関数になることを示したが、もしフーリエ変換が定義できればフーリ逆変換で元に戻ることがわかった
フーリエ変換の収束性については、フーリエの積分定理としてまとめられる
(1)f(x)は区分的に滑らか
(2)f(x)は絶対可積分
であれば、フーリエ変換可能
連続な値は元の値に戻り、不連続点は両側の極限の平均値になる
実はこれらの条件を満たさない場合もフーリエ変換を考えることがよくある
例
デルタ関数(超関数)のフーリエ変換
・フーリエ変換の性質
色々と性質があるが、たたみ込みやパーセバルの関係式が著名である
クラヌース・クローニッヒの関係式
ある系に刺激を与えた時の応答を考える
t=0におけるインパルスに対する応答関数が決まれば、畳み込みを用いて、一般のときの応答が分かる
応答関数の実部と虚部は因果律で関係づけられる
因果律から、応答関数の実部と虚部は互いにたたみ込み積分の関係にある
11.ラプラス変換
フーリエ変換は絶対可積分な関数を主に扱っていたが、絶対可積分ではない関数も扱いたい
複素平面で90°回転させると、収束性がよくなる?
Re(s)が十分大きければ、F(s)が存在する
・ラプラス変換の公式
いろいろな公式がある
・逆ラプラス変換
一意性の証明はおいておく
Fの逆フーリエ変換からfを求める
ブロムウィッチ積分や留数定理が登場する
リーマン・ルベーグの定理も覚えておく
12.微分方程式への応用
・調和振動子
・LCR回路の過渡現象
代数学の基本定理
リービルの定理から証明できる
静電場、熱伝導、流体の流れなどは正則なラプラス方程式の解となるので、これらの問題に応用できる。
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「よくわかるフーリエ級数」
フーリエ級数や、フーリエ変換は電気工学、信号処理、音響学、経済学の分野にも応用されるほど有用なテクニックである
1.フーリエ級数の誕生
フランスの数学者・物理学者のフーリエは熱の伝わり方の研究をしており、熱方程式を発見した
この熱方程式は変数分離で解ける
そして、解けた解を重ね合わせたものも方程式の解である
初期条件も入れると、fが成立してなければいけない関係式が出てきた
フーリエ男爵はこのAnとBnの定め方を求めたのであった
2.フーリエ級数展開の書き換え
オイラーの公式を用いればフーリエ級数はもっとシンプルにかける
φn = exp(inx)/√2π は正規直交系である
すなわちfがL^2に含まれているとはルベーグ可測関数fに対して|f(x)|^2がルベーグ積分可能であることを表す
φnを用いて、フーリエ級数展開を書き換え、複素数の表示にする
また、このsmは積分表示にすることができる
フーリエ級数を求めるということは気持ちとしてはsm(x)でm→∞を計算して、これがf(x)に等しいと言いたい
f(x)が連続というだけではこれは成り立たず、さらにf(x)は有界変動であるという条件が必要
このようにsm(x)はあまり良い近似ではないことがわかる
フェイェールはこれを解決した
3.フェイェールの部分和
ハンガリーの数学者フェイェールは部分わsm(x)の代わりにそのチェザロ平均を考えた
これをフェイェールの部分わという
これは積分表示に書き直せる
このFm(x-y)は先程のFmと比べて良い振る舞いをする
よってf(x) が連続かつ周期的であれば一様に、
limσm = f(x)となることがわかる
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「よくわかるフーリエ変換」
1.Why フーリエ変換
周期関数は単振動の重ね合わせで表現できるというのがフーリエ級数の意味することであった
もし、f(t)が実数直線上で定義された関数で、しかも周期的かどうかわからない場合に対してもフーリエ級数展開が成り立つのかというのがフーリエ変換のモチベーションである
2.フーリエ変換の定義
勝手な有限区間で定義される関数は変数変換により周きが2πである関数に変換することができる
ここで、b-aは非常に大きいとして、f(t)を書き換える
また、a→-∞、b→∞とした極限を考え、さらに和を積分に置き換えることによって得る式をフーリエ積分という
フーリエ積分が収束するためには関数f(t)に条件を少し課す必要があるが、ここでは言及しない
ここで、
f(t)の中身をフーリエ変換といい、外の方をフーリエ逆変換という
ここでは1次元の場合についてのみ説明したが、N次元の場合も同様に定義することができる
ただし、f(x)はR^n上可積分関数である
もしR^n上可積分出ない関数f(x)をフーリエ変換をしたい場合は超関数を導入する必要がある
3.フーリエ変換を偏微分方程式にどう使うか
フーリエ変換を実際に用いることを考える
まず空間変数についてフーリエ変換を施すと熱方程式は書き直される
注意すべき点として、フーリエ変換を施したことで、空間微分が消えて方程式が常微分方程式のように変わったことである
フーリエ逆変換を用いて、u(x,t)を表すことができる
特にE(x,t) = ,,を熱核といい、いろいろいい性質を持つことが知られている
初学者は空間変数についてフーリエ変換を施せばいいことがあると思っておけば良い
一方、時間変数についてはラプラス変換を施すといいことがある
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「応用解析序論」
第1講 フーリエの着想と三角級数展開
1 波動方程式
2 熱方程式
3 ポテンシャルの方程式(ラプラス方程式)
これらの解を求めることは18世紀から19世紀の科学を支える重要な問題であった
フランスの数学者フーリエは熱方程式に関する考察を経て、現在フーリエ級数展開と呼ばれる手法に関する重要な発見をした

第2講 複素数値関数と関数項級数

この講義の前半の目標は、フーリエの主張を応用上十分に正当化することである
絶対収束する級数は収束する


第3講 フーリエ級数


区分的に連続とは、不連続点が有限個かつ不連続てんであるとき、左右からの片側極限が存在すること
第4講 複素フーリエ級数
フーリ級数をオイラーの公式を通して書き換えたものを複素フーリエ級数という
第5講 ベッセルの不等式とリーマン・ルベーグの補題
複素数値関数がP(x)の形で表現させるとき、N次フーリエ多項式という




第6講 収束定理1
区分的に連続な関数に関しては複素フーリエ係数が定義され、同時に複素フーリエ級数が定義できた
しかし、それが何かしらの値に収束するのかという問題と、その値がf(x)に一致するというフーリエの主張が正当化できるのかという問題は未解決である
実は、区分的に連続という条件だけではフーリエ級数の収束性は保証できない
不連続てんを許さず、連続に変えてもダメで、フーリエ級数が発散してしまう実数xが存在するような例が構成できてしまう
そこで、考える関数の条件を実用性が損なわれない範囲で少しだけ強める





第7講 収束定理2
前回の4つの補題でディリクレの収束定理を証明する
第8講 内積空間
有限次元ベクトル空間から無限次元へ
今回から、関数たちのなす空間においてちょっとした幾何学を展開したい
ここでは、n次元のベクトル空間から無限次元のベクトル空間への緩やかな橋渡しを試みる
ベクトルのグラフ表示
R^nは1からNまでの自然数にそれぞれ実数a1からaNを対応させる関数だとみなしそのグラフをxy平面に描くことにする
Nが大きくなると0, 1上の関数のように見えてくるから関数とは無限次元のベクトルであるというのもそれなりに納得できるであろう xyz空間での幾何学においてベクトルの長さやベクトル間の角度は基本的な概念である
これらを定義するときに本質的な役割を持つのが内積である
では、無限次元で内積を定義することはできるのだろうか?
関数の内積は積分で定義するのは不自然ではない


第9講 ヒルベルト空間

C^nも内積空間として完備でありヒルベルト空間になる
今後用いる積分はリーマン積分ではなく、ルベーグ積分というもの
第10講 正規直交系
無限次元のヒルベルト空間
無限次元ヒルベルト空間の具体例としてL^2空間を導入する



じょうky系は内積がj=kのときだけ1になるとき
第11講 フーリエ級数再訪




第12講 フーリエ変換

第13講 フーリエの反転公式
第14講 フーリエ変換の応用