続(2)・プロバイダ責任制限法 (rush/20/04/25)
前回同様、ガイドラインの指針より重要そうな項目を取り出してきて纏めます。
※注意:私は法学徒ではありませんし、調べた内容はできるだけ正しく書いているつもりですがその正しさについて一切責任は取れないので注意してください。
氏名・連絡先以外の個人情報
削除通報があるということは、通常人が秘匿したい性質の情報だと考えられる。
しかし、場合によっては対象が公人であれば、この情報は対象となる者に対する批評の目的であることがあり、この批評も保護すべきである。
一般私人の場合 P13
一般私人の場合は、削除要請があれば普通センシティブな情報の公表を正当化する理由は考えにくいので、削除することが望ましい。
「学歴・病歴・成績・資産・思想信条・前科前歴・社会的身分等」だった場合は、発信者に対して削除要請を伝え、発信者が自主的に削除しない場合で、プロバイダ等が削除可能なときは、原則として削除する(以下このプロセスを削除プロセスとします)。
(これが、削除すべき相当の理由にあたるかどうかは記されていない)
犯罪関係者に関する情報のうち、犯罪事実に関連しない事実は削除プロセスに従う。
また、今はプライバシーに関する視点で考慮しているが、後述の名誉毀損についても考慮すべき。
公人等の場合 P14
職業上の事実といえる場合などは削除しないでよい場合がある。
私生活上の事実については、削除要請があった場合は削除要請を発信者に伝え、自主的に削除しない場合には、削除要請をした者に経過を伝えて自主的な解決を促す。なお、その記載の態様が品位を欠き目に余る場合は「削除してよい相当な理由」にあたりうる。(P14)
名誉毀損に当たりうるので、これも考慮すべき。
その他の場合(判例) P16
判例上、著名人の私生活上のセンシティブな情報は保護されうる。
芸能人がテレビで公言した事実は、プライバシー権の放棄の問題が生じうる。
準公人や元公人に関しては、一般私人として捉えうる。(逆に、公人として私生活上のセンシティブな情報もプライバシー権の保護外とされうる場合もある。)
写真・肖像等以外の個人情報
写真は個人を特定し、襲撃・誘拐の犯罪に利用される恐れもある -> 削除対象になりうる
しかし、報道や批評の際には写真掲載の必要性・有用性が相当程度ある -> 調整が必要
リベンジポルノ防止法に当たる場合は、それに従う。(これは前回解説しました。)
一般私人の場合 P18,19
基本的に顔写真で、本人の同意を得られてなさそうなら、削除することが出来る。しかし次は例外
本人を大写しにしたものではなく、映り込みである場合。
犯罪報道の被疑者の写真のような、公益を図る目的がある場合。
本人の同意を得られると思われていても、普通人が公表されて嫌がる様態だった場合(入院中や治療中)、削除出来やすい。
未成年者の場合は、親権者が同意してそうなやつ以外は削除出来る。
公人の場合 P19
基本的に顔写真で、本人の同意を得られてなさそうなら、削除することが出来る。しかし次は例外
掲載記事の内容が、公益に関する場合で、掲載手段が相当な場合。
著名人については、著名人の顧客吸引力を不当に利用したものではなく、公益に関する場合で、掲載手段が相当な場合。
著名人の中でも、芸能人等の場合
場合によっては、顔写真についてのプライバシー権を放棄しているものと考えられる。
しかし、逆に芸能人はその顔写真等を営業(CMとか)のために使う権利を持っているので、これを侵害している場合は削除しうる。
また、私生活上のものについては、プライバシー権が保護されうるし、羞恥を覚えるような内容である場合はこれも特別に考える必要がある。
基本的に顔写真等についても、プライバシー権の観点だけでなく名誉毀損と一緒に考える必要があるみたい。
また、このあたりからガイドラインの表記もはっきりしないものとなる(これは、実際にプライバシー権やパブリシティ権がある程度ふわっとした権利だから仕方ない)
犯罪事実の情報 P23
報道されている犯罪事実に言及することは権利侵害ではない(削除すべきとは言えない)。
しかし、犯罪後長期間が経ち、犯人に対する刑の執行が終わった後に蒸し返した場合は 権利侵害となりうる(削除出来うる。)
一般的な基準を示すことは難しい。
判例として、12年前の傷害の前科をノンフィクション作品として取り上げたことが権利侵害に当たるとされた事件がある。(P24)
しかし公表されない利益が公表することの理由に優越するのが明らかでない場合、削除する必要はないとした判例もある(P24)
少年による犯罪事実
少年法に基づいて、犯人が特定できるような報道が禁じられるので、実名等載っていれば削除しうる。
公人等による犯罪
現在公職にあり、又は公職の候補者である場合には、公益に関するので、削除すべきでない範囲が広い。
結局これも、プライバシー権で保護されるかどうかという問題に帰結して、裁判次第という形らしい。
ここまで、プライバシー権に関わる内容について削除すべきかどうかを見てきたけど、一概に言えるものは多くなかった!
しかし、基本的には一般私人についてはほとんど全ての情報が、公表を許されないのは目立っていた。
今回は前回等と比べると少し短いけどここまで!
次回は名誉毀損に関するガイドラインの部分を読んでいきます。
ガイドライン、とても法律の勉強のための初学者向けの資料として良いと思いました。
というのも 判例・判例の考え方・解説が、ある程度の信頼性のおける形で上手く纏まっています。
また、ただ判例を勉強するだけでなく、当然なにか別の事象に判例を適用することを前提として勉強しているので、勉強のモチベーションが違います。