美学ミーム
定義
これまでに、美学ミーム(Internet aesthetic)は以下のような定義がなされてきました。
現在最大級の引用元であるAesthetics Wikiの創始者fairypageの2021年のブログにおいて、簡単にまとめれば美学を「(多くの場合空想的な)とある「生活・世界」に基づいた、一貫して接続された複数種の枠組み」とし、それは特定の要素がなくともビジュアルに対して言い張れ、それに似合う音楽もあるはずとしています。
また、Aesthetics Wiki上では、記事を作成するための特筆性として「SNSのトレンドや異なるユーザーによる複数のアーカイブを必須」としており、視覚的多様性(Visual Diversity)のポリシーで「複数の媒体(mediums)にわたって表現できるほど幅広くなければならない」としています。
20年以降、レトロ趣味の文脈から外れた消費や、思想的な連続なく美学ミームを転用した表現が行われるようになりました。
国内では例えばMAPPA作品のOP、Vtuberや歌い手、ボカロ楽曲のMVなどがあります。
歴史
前史
本来、「美学(aesthetics)」の語は哲学の一分野として確立した学問を指す言葉でした。
複数作品を連続的に指す語として、「Cyberpunk」や「Hardcore」といったマイクロジャンルが登場し、「-punk」や「-core」といった今日のインターネット美学の接尾辞の基礎となりました。
命名と発展
2011年、最初期の美学ミームの一であるSeapunkという「海洋や海に関するライフスタイルの美学」がTwitter上でインターネットミームとして発生しました。
同時期に、主にTumblr上で”視覚的な繋がり”をカテゴライズするムーブ(”Tumblr美学”)が発生しました。
これらに対しaestheticsの語を転用し「インターネット・エスセティックス(Internet aesthetic)」として呼称されるようになります。
2014年12月30日には、/r/vaporwaveaestheticsのサブレディットが開かれました。
この頃登場したVaporwaveは2015年には日本語圏も含め広く知られたインターネット美学となり、「美学ミーム」について言及する際にはVaporwaveがしばしば扱われます(例えばAesthetics Wikiの背景は本美学のモチーフです)。
またY2K等のリバイバル美学に対するインスピレーションとなりました。
2017年、「Y2K美学研究所(今日の消費者美学研究所(CARI))」のDiscordがオープンしました。
前後してFacebookチームの作成やインターネット美学の追跡、命名などを手掛けました。
この頃にY2K及びMcBlingやFrutiger Aeroが発見、命名されます。
タグ文化とコロナ禍による流行
その後、マイクロブログの低迷とTwitter、Youtubeの拡大により美学ミームの主要な場所・世代交代が行われ、
2018年6月1日にはAesthetics Wiki | Fandomが開設されました。
2020年以降、TikTokでCottagecoreなどのファッション美学がタグによって拡散し、同時期Aesthetics Wikiも急成長を遂げました。
2021年7月1日、消費者美学研究所(CARI)のWebサイトが開設されました。現在CARIはAesthetics Wikiの参照する有力な情報源です。
日本語圏
2020年、コロナ禍を経てtiktok、Youtube、Instagramを通じて海外ミームの輸入が広まり、Vaporwave等の著名なものだけではなく美学ミームそのものが引用されるようになりました。
特にLiminal spaceはSCP財団等で既に土壌がある状態だったためにクリーピーパスタである『The Backrooms』とともに著名となりました。
また、美学ミームとは独立し、K-popから広まったY2Kブームや、あのちゃんブームによる2022年以降の天使界隈など、音楽シーン周辺での同様のムーブメントも起こっています。
キーワード
大抵の場合、美学ミームについて言及するブログ、Wiki、ニュースサイトでは用語が頻出します。著名なものを纏めます。
リバイバル: 古い作品や事柄が再評価、再現された現象
ノスタルジア、異国情緒、アネモイア: リバイバルに持つ感情の種類。リバイバルのもととなったものと消費者との距離感で区別されます。ただし、これらの用語は混同、誤用される場合が非常に多く、また複数の造語を経ています。ここでは多くの文献の要約、翻訳として間違いのない程度に区別できるニュアンスを書きます。
ノスタルジア: 自身の経験に基づいた懐かしさ。
異国情緒: 自身の過ごしていない場所への郷愁。
アネモイア: 存在しないもの、知らない時代への郷愁。