睡眠中の記憶再生
海馬における記憶再生
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同時発火の再現の観察
ラットの餌探索課題などで海馬の場所細胞を調べた (M.A.Wilson, B.McNaughton, 1994)
課題中に同時発火したペアのみ、課題後の徐波睡眠時にも同時発火した
課題直後の徐波睡眠で顕著、時間経過に伴い減少 (H.S.Kudrimoti, et al., 1999)
同時発火する:場所受容野が重なっている
相互相関関数による定量化
発火順序の再現の観察
ラットの特定経路移動課題で場所細胞の発火順序を調べた
睡眠中の、鋭波(ripple)と呼ばれる海馬の同期活動中の発火パターンが、課題中のものと統計的に類似 (A.K.Lee, M.A.Wilson, 2002)
ただし、部分的な一致、飛ばし飛ばしの一致、のこともある
睡眠中に限らず、課題直後にその場で発火パターンが再生されることもある
その場合、逆回しになる (D.J.Foster, M.A.Wilson, 2006)
時間的圧縮
徐波睡眠中の鋭波発生時は,課題中の5~20倍の早さで発火パターン再生!
→効率的にオフライン学習!
REM睡眠中ではほぼ等倍速!
夢は早回しでない
→複数の領野が協働できる?
non-REM睡眠ではひたすら反復学習,REM睡眠では記憶の記憶の固定・整理
睡眠前に新しく出来たシナプスの多くはREM睡眠中に刈り込まれ,必要なシナプスのみ残される
REM睡眠を阻害するとシナプス刈り込みも阻害
REM睡眠を阻害し続けると,新しく出来たシナプスは数日後にほぼ全滅
海馬と大脳皮質の相互作用:記憶移動説?
徐波睡眠のUp state,Down stateは大脳皮質と海馬で同期している
Up stateで課題中の発火パターンが同時に早回し再生される (D.Ji, M.A.Wilson, 2007)
相互作用は大脳皮質から始まる:大脳皮質→海馬→大脳皮質 の流れ (G.Rothschild, et al., 2017)
発火パターンの予演